「あきらめなければ夢は必ずかなう」という確信を持ちながらも、現実を直視することの重要性-「ストックデールの逆説」
「アイデアを出せる人のマインド・スタイル」という記事を読んでいたら、『ビジョナリーカンパニー2』に出てくる「ストックデールの逆説」について紹介されていました。『ビジョナリーカンパニー2』は以前読んでいたので、該当する箇所を読み返してみました。
「ストックデールの逆説」は、ベトナム戦争で8年間捕虜生活を送り、いつ釈放されるか見込みが立たない状況を生き抜いてきたジム・ストックデール将軍にちなんだ言葉です。
『ビジョナリーカンパニー2』の著者から、どのように苦境に対処したのかを聞かれて、ストックデール将軍は以下のように答えます。
「わたしは結末について確信を失うことはなかった。ここから出られるだけでなく、最後には必ず勝利を収めて、この経験を人生の決定的な出来事にし、あれほど貴重な体験はなかったと言えるようにすると」
次に、耐えられなかったのはどういう人が聞かれたストックデール将軍の言葉。
「楽観主義者だ。そう、クリスマスまでには出られると考える人たちだ。クリスマスが近づき、終わる。そうすると、復活祭までには出られると考える。そして復活祭が近づき、終わる。つぎは感謝祭、そしてつぎはまたクリスマス。失望が重なって死んでいく」「これはきわめて重要な教訓だ。最後には必ず勝つという確信、これは失ってはいけない。だがこの確信と、それがどんなものであれ、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視する規律とを混同してはいけない」
ちょっと前に、以下のTogetterのまとめが話題になっていました。
モーニング島田編集長の、「あきらめなければ夢は必ずかなう」ほど悪質な言説はない、という話について - Togetter
モーニング島田編集長の、『「あきらめなければ夢は必ずかなう」ほど悪質な言説はない』に対するマンガ・アニメ業界人の反応 - Togetter
これについて「ストックデールの逆説」を照らし合わせると、「あきらめなければ夢は必ずかなう」という確信を失ってはいけないが、同時に自分が置かれている現実も直視する必要があるということになりますね。
もう一つ付け加えるとするなら、ストックデール将軍のような捕虜生活では自由に行動することはできませんが、私たちは自由に行動できるのだから、現実を直視しながら、困難を乗り越えるために何ができるかを考えて、次々と行動を起こしていくことが重要だと思います。逆に言えば、何も行動を起こせなくなったときが「あきらめる」ときになるのでしょうね。