「検証 東日本大震災 そのときソーシャルメディアは何を伝えたか?」の感想
ロサンゼルス在住の友人、立入勝義さんから新著「検証 東日本大震災 そのときソーシャルメディアは何を伝えたか?」を献本していただきました。
今回の東日本大震災では、マスコミ以上にTwitterやFacebook、USTREAM、YouTube、ブログなどのソーシャルメディアが大きな役割を果たしました。震災直後、電話はつながらなくてもTwitterはつながり、連絡を取り合うライフラインとなったとこと、NHKの放送を広島の中学生がUSTREAMで中継して、それをNHK PRの方が自分が責任をとると容認したこと、震災や津波の動画がYouTubeなどで共有されていったこと、原発事故について識者や専門家が自らソーシャルメディアで情報発信したこと、TwitterやFacebookなどを通じて被災地支援の動きが広がっていったこと、もちろんデマや風評が広がったという負の側面もありました。そのへんのことをわかりやすくまとめてあって、改めて震災とソーシャルメディアの関係を振り返るにはいい本だと思います。
著者がアメリカ在住なので、海外在住の日本人がソーシャルメディアを通じて見た震災の証言や、海外世論、海外を含めた震災復興支援の動きなども紹介しているところは、特に興味深かったです。
最近、「参加型民主主義への序章。『自然エネルギーに関する「総理・国民オープン対話」』 #openkonc」という記事で永井孝尚さんがレポートしているように、国のトップである総理大臣が、ソーシャルメディアを通して国民と対話する試みも出てきました。ソーシャルメディアは政治も含めて、大きく社会を変革していくための可能性を秘めていると思います。そういった可能性について考えてみるためにも、この本は参考になりそうです。