まずは自分でやってみることで、知識を知恵に変える
私が代表理事を務めている一般社団法人自分史活用推進協議会では、自分史の魅力と活用法をより広めていくために、自分史活用アドバイザーという認定資格をつくって養成していこうとしています。それで「自分史活用アドバイザー」の商標を特許庁に出願していましたが、登録内定の通知が届きました。あとは登録料を払い込めば、登録完了になります。この商標の出願は弁理士などのプロに頼まず自分でやりました。私の会社で運営している「Histy」と「eQuiz」の商標をすでに自分で登録したことがあるので、手続きは問題なくできました。
初めて「eQuiz」の商標を登録しようとしたときは、まずネットで検索して手続き方法を調べました。今はたいていのことはネットで検索したらわかるので、本当に便利になりましたね。それで自分で商標登録出願の書類を作成し、特許庁の相談窓口に行って、内容に問題ないかどうか確認して、修正してから出願しました。
もちろん、そうやって調べたり、特許庁へ行ったりする手間や時間を考えたら、お金を使ってでもプロを雇って、その分の時間を自分の本業に集中したほうがいいという意見はあると思います。でも、単にお金が節約できるだけでなく、自分でやってみると、知見も広がるし、たとえ途中で自分でやるのが難しくてプロに頼むことになっても、自分で多少でもやってみたことで勘所がつかめ、プロに的確に仕事を頼めるようになります。
例えば、自分の会社のウェブサイトをつくるときも、最初からプ制作会社に丸投げするのではなく、自分で調べて勉強しながら一度つくってみると、今はドメインも安く簡単に取得できるし、レンタルサーバーも安く借りられるし、オープンソースのCMSを使えばほとんどお金をかけずに高機能のサイトがつくれることがわかります。そういうことがわかっていれば、オープンソースを利用してプラスアルファのものをつくってくれるような制作会社に頼んでみようというふうになるわけです。
ソーシャルメディアを使ったマーケティングについても、いきなりプロに頼んだり、セミナーに行って話を聞いたりするよりも、ネットで検索すれば参考になる記事がいっぱい出てくるので、それらを参考にしながら、自分で実際に試行錯誤しながらいろいろやってみたほうが、体験を通して得た生きた知恵として身につきます。
ちなみに、一般社団法人の設立手続きも自分たちでやりました。実は一般社団法人は株式会社と同様の手続きで、NPOよりも簡単に設立できます。非営利的な活動をするなら、NPOではなく一般社団法人でもいいかもしれません。
ネットで検索すればいろいろな知識が簡単に手に入る時代になったからこそ、そういった知識をもとにして、自分でやってみることで、知識を生きた知恵に変えていくことが大事だと思います。