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夢や目標はなくてもいい

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オルタナ・ブロガーの佐藤奈穂子さんの「どんど晴れ」という記事で、先のことを何も決めずに、会社を辞められたという話を読んで、自分が会社を辞めたときのことを思い出しました。

私が最初に務めていた出版社を辞めたのは、1995年のことなので、もう16年ぐらい前になります。芸能雑誌の編集の仕事を約10年間やってきて、当時は副編集長になっていました。ある程度責任のある仕事をまかされ、雑誌の進行を全体的に見ながら、毎月いろいろなタレントを取材したり、グラビアや写真集の撮影で年に数回タレントを連れて海外に行ったりしていて、仕事は本当に楽しかったですが、取材を担当していたアイドルグループが解散したときに、ふとこのままこういったことを続けていていいのだろうかと感じました。このまま会社にいれば、「楽」に生きてはいけるだろうけど、「楽しく」仕事を続けていけるのだろうかと。会社から飛び出して、自分の実力を試してみたい気持ちも出てきて、特に夢や目標もなく、何をするとも決めないまま、会社を辞めてしまいました。やはり辞めるときは多少不安を感じていたことを覚えています。

しばらくぶらぶらしていた後、結局、芸能誌やテレビ雑誌の編集、ライターの仕事など、以前と似たような仕事をしていましたが、インターネットが徐々に注目を浴び始めたころで、ネットに関連した仕事も多少するようになりました。当時は女性がホームページを作るだけで注目を浴びていたので、そういった女性のホームページを紹介する本をプロデュースしたり、テレビ情報のサイトの運営を手伝ったり、オンライン教育サイトのディレクションをしたりなど。

その後、もっと何か違うことができないかと思っていたとき、ふとしたきっかけでアメリカに行こうと思い立ちました。このときも、アメリカに行ってこれをやろうという夢や目標があったわけではなく、とりあえず移住してみて、1年間コミュニティカレッジでマーケティングの勉強をして、その後は現地の企業で1年ぐらい働いてみようというノリでした。ロサンゼルスに行くことにしましたが、現地に知り合いはまったくいないので、多少不安を感じていましたが、実際に行ってみたら、本当に面白い人たちとの出会いに恵まれ、そういった人たちの本の出版プロデュースをしたり、映画祭をやったり、映画ビジネスを始めたり、NPOをつくったりと様々な経験をすることができました。

何が言いたいかというと、自己啓発書などで明確な目標を持つことの重要性が言われていて、たしかにそれも大切だけど、はっきりした夢や目標を持ってなくても、自分の心の声をしたがって、勇気を持って踏み出してみると、道は開けてくるものだなということです。もちろんうまくいかないこと、たいへんなこともいっぱいありますが。明確な目標を持って、その目標を実現するための計画を立てて、それにしたがってやっていくことも大事だけど、自分の直感にしたがったり、偶然の出来事や出会いを生かした生き方も楽しいですよ。

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