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「旧:イギリス大学院 留学日記」で一躍有名になったブッタ像といろいろ語っていきます。

MBAってどうよ? 反省編

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先日、卒論を提出し全てのMBAプログラムから解放されました。本当にお疲れさま・・・と自分に言ってあげてもいいぐらい、大変な1年でした。ということで、この1年間を振り返りMBAの感想を書いてみたいと思います。飽くまでも個人の感想であり、その人の留学目的、留学した大学によって全く違ってくると思いますので、そのあたりはご了承ください。

そもそも何で留学を決めたのか?

これは反省を含めて書かないといけないことかもしれません。もともと英語は大の苦手でした。高校の通信簿では5段階評価中の「2」。そのため度々職員室へ呼び出されていました。そんな私が外資系の会社に入ってしまったもんだから、それはそれは大変でした。取引先は日本企業であるものの、社内のメール、書類、電話会議、とにかく英語だらけ。「まずいところに来ちゃったなぁ・・・」と、ただただ思っていました。しかし、仕事自体はとても面白かったので、何とか英語学校に通って勉強しながら業務をこなしていました。

が、時間が経つにつれて、英語ができないことで仕事の限界があることが分かってきました。やはり業務で問題なく使えるようにならないと、それ以上の仕事がまわってこない。高校で取った「2」レベルの英語力から10年以上も何も勉強していない訳で、そこから週数時間の英語学校に通ったぐらいでは、私のバカ頭じゃちっとも追いつきませんでした。

「もうこれが限界だなぁ・・・」

と思ったと同時に、一気に英語力を伸ばすのであれば留学するしかないかな、と思い行くことを決めました。ちょうど会社も大きくなって役割を終えた感もあったので。その頃には次にやりたいことも見えてきてました。前職は初めての外資系勤務だったのですが、海外展開を最初から視野に入れてビジネスを考えることが、自分には驚きでした。自分が接したことのある日本のベンチャー企業でそういった考えをもっている会社殆どなかったので。もちろん日本人の場合「英語」という言語の壁が大きいのは理解してます。ただ少子化で労働人口が減って内需拡大が難しくなってきているなかで、このまま国内だけでビジネスをやっていても限界があるし、実際に日本の国際競争力は低下してきています。何とかこの問題を解決すべく、日本の国際競争力向上に貢献できるような仕事ができないか?と思ってました。そうなるとやはり「英語」が必要になってくる訳です。

あとは悔しかったんですね、英語が出来ない状態で中途半端に外資で仕事していたことが。「もっと英語ができれば、こんな仕事もできたのに・・・」という気持ちがいつも心のどこかにありました。外資系企業で働くなんて無謀な挑戦をしてしまったことは反省する点でもありますが、無謀な挑戦をしたからこそ「留学」というきっかけを見つけられたのも事実。ここはポジティブに考え「じゃぁ留学しよう」と思い立ったら即行動、という感じでした。なので留学の目的は純粋に「英語の勉強」だったのです。

じゃ、なんでMBAに?

最初はずっと語学学校を探していました。ネットで調べるのはもちろん、留学斡旋会社に足を運んだり、留学フェアに行ったり。また周りに留学経験者がたくさんいたので色々アドバイスをもらっていたのですが、そのなかで意外と多かったのが、

「語学学校で英語だけ勉強してても飽きちゃうから、『英語』を使って何かを学ぶ方がいいよ」

という意見でした。後にその意味が分かったのでこの意見は正しかったと思います。が、そのおかげで(せいで?)たまたま大学は経営学部を卒業していたこともあり、「『英語』を使って何か(=ビジネス)を勉強する」にはちょうどいいと思い、MBAにアプライすることにしました。入学の為には、書類を揃え、エッセイを書き、基準の英語のスコアをクリアーする、というこの3点が必要でした。たとえどこのビジネススクールにも受からなくても、もともと語学学校にいこうとしていたのだから別にショックではないし、ダメもとでチャレンジしてみようという感じでした。

反省・・・そして何とかしないと

幸か不幸か?希望していた大学院に入学することができMBAが始まったのですが、もともと「英語を勉強したい」という気持ちと、「MBA取るぞ!」という気持ちで来てる人達との間には温度差がありました。更に英語力のレベルの違いにも驚きでした。多くの生徒がMBA前に1年間ぐらい英語コースに通ったり、もしくは英語圏の大学を卒業していたり、ほぼ英語に関しては問題ないような人達ばかり。またここでも「まずいところに来ちゃったなぁ・・・」という感じになってしまいました。

そこからは、生半可な「英語の勉強」なんて気持ちで来てしまった自分への反省でした。「確かに『英語』を使って何かを勉強する」を実践したものの、現場はそんな甘いものじゃありません。今考えると当たり前なんですけどね(笑)更に学生達はビジネスの知識を付けることはもちろん、「MBAホルダーになりたい」「有名な会社で働きたい」「いい給料の仕事に就きたい」「出世したい」という野心に燃えている人が多く、こういうことに全く興味のない私にとってマインドの違いに戸惑いました。授業もあまり実践で使えるような内容じゃないし・・・本当に役に立つのだろうか?という疑問もありました。やはりMBAとは英語ができることを前提に、ビジネス理論を学びにくる場。自分なんかが来る場所ではなかったと猛反省すると共に、本気で辞めようかと考えたこともありました。

とはいえ、多額の学費を払ってしまったので、何とか前向きに面白いと思えるようやっていける方法がないか、結構時間をかけて考えました。結果的には、この先やりたいことは見えていたので、その分野の知識を身に付けたり、業界研究をしたり、準備のための1年を過ごすと考えるようにしました。それをMBAという環境でできるのであれば、有意義な1年を過ごすことができるだろうと。他人は他人、自分は自分。実践で役に立つかどうか分からない授業であっても、その中に1つや2つは実践的に使えるものもあるだろう。習ったことを、将来やりたいことにはめ込みながら考えて行けば少しは面白くなるだろう。と、こんな感じで気持ちを切り替えいきました。

目標や目的を明確にして行動を起こすことはいいことだと信じています。しかし、明確であればあるほど、理想と現実のギャッップが激しく襲ってくることも分かりました。「とりあえずMBAとれば就職に有利だから留学しよう」ぐらいの方が、もっと気楽に過ごせたのかもしれません。このギャップを埋めて行く作業は、精神的にも物理的にも大変でしたが、いい勉強になったかと思います。でももぅ二度と味わいたくないですが(笑)

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