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「旧:イギリス大学院 留学日記」で一躍有名になったブッタ像といろいろ語っていきます。

MBAってどうよ? イマイチ編

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MBAも人によって感じ方が違うと思います。私の場合は英語ができないことで、あまり内容を理解できなかったことがMBAをネガティブに捉えてしまった原因かもしれませんし、他の学校だったらもっと良かったと思ったのかもしれません。何が原因かはっきりとは分からないのですが、実際に思ったことをとりあえず書いてみようかと思います。

本当にこの理論を覚えて、ビジネスの現場で役立つのだろうか?

授業が始まってから、こんな疑問の連続でした。もちろん私の行っていた学校に問題があったのかもしれないですし、アメリカのMBAであればもっと実践的な内容なのかもしれません。更にイギリスという土壌がそう思わせたことも一理あるかもしれません。必須科目には「オペレーション」の授業があるのですが、イギリスは荷物はまともに届かない、修理を頼んでもなかなか来ない、スーパーのレジでおばさんおしゃべりで10分待ち、とかそれはそれは日本人だけでなく他の国の人達でさえ非効率に感じるぐらいサービスの質が悪いです。そんな国で「オペレーションとは・・・」なんて教えられても「はぁぁ??」と思ってしまう訳です(笑)また、ヒューマンリソースの授業は理論だらけなのですが、社員同士が協力し合って仕事を進めて行くことが大事である、というような内容を切々と学者が説明していたりするのを読むと、「そんなこと当たり前じゃん」とツッコミたくなります。また、教科書などの本は構想から出版まで5年近くかかるそうなので、出版した頃にはその情報は古くなっていたりします。特にeビジネス関係の書籍はそうでしたね。

今思うと、自分で会社経営したい人、経営幹部になりたい人、コンサルになりたい人、などには役に立つことかと思いますが、ベンチャー企業や事業の立ち上げが好きな私にとっては、企業の成功の結果をまとめて理論にしたものは古い情報でしかなく、新しいものを創り出す仕事においては、学者の理論で成功を導き出すのは難しいのではないかと思ってしまいました。もちろん習ったこと全てが無駄ではなく、既存市場で新商品を投入する際にはマーケティング理論を使って市場分析することが必要ですし、資金を調達するにはこうしたデータを提示することで成功の可能性を示す訳ですしね。

その人が何をやりたいかによって、MBAを有意義と思うかどうかが変わってくると思うのですが、基本的にはMBAは経営幹部やマネージャークラスを育てるための学問だから、やはりこういった志向をもった学生が一番来るべき場所なんだろうなと思いました。しかし、だからといってビジネススクールが経営幹部やマネージャーだけを排出する学校であっていいのか?とも思うのです。経済発展のためには新しい会社の登場が必要だと考えると、起業家を育てるためのビジネススクールという位置づけであってもいいのではないかと思いました。

詰め込み過ぎで消化不良

これはイギリスのMBAだけかもしれませんが、1年で全ての教科を履修しなければいけないので、基礎は飛ばしてスタートする授業もありますし、課題も多くとにかく忙しい。ただでさえ英語で理解力が半減しているのに、この忙しさでしっかり理解できないまま、あれよあれよと時間が過ぎていきます。日本人の友達と同意見だったのが「内容をしっかり理解したいのであれば、日本のMBAの方がいいかも・・・」ということでした。言葉の問題だけではありません。例えば金融の分野であれば、イギリスで学ぶことで新たな知識を沢山身につけることができるかもしれませんが、全般的なビジネスに関しては、経済規模や企業数で考えても日本の方が発展しています。もしくは海外での勉強を選択するのであれば、アメリカの方がいいのかもしれません。私は日本のMBAの内容をよく知りませんが、MBAというと海外の大学ばかりが注目されてますが、日本の大学のMBAも悪くないんじゃないのかな?という気がします。

今回こうしてMBAコースに入って色々なことが分かった訳ですが、もしこの状況が分かっていたら違う選択をしていたかもなぁとも思います。年明け帰国予定のため、今回イギリスには1年半(18ヶ月)滞在したことになるのですが、その期間を「英語」「ビジネス」の両方を有効に学ぶのであれば、イギリスで3ヶ月基礎英語+6ヶ月ビジネス英語、日本に帰国してグロービスで9ヶ月間、というのもありかと思います。グロービスでは英語でのMBA授業も受けられるみたいですし、最初に英語を勉強しておけば、授業は日本語であっても英語の書籍を読んで知識の幅を広げることも出来ますしね。とはいえ、やはり海外へ出てみたからより適切な方法が分かったのであって、日本にいる間にこの選択肢は思いつかなかったと思います。ただ自分は英語の勉強が目的だったので、内容はどうであれ英語が伸びる機会が得られたのでこれはこれで良かったかと思ってます。

大学にとってMBAはいい金儲け?

イギリスの大学院は、留学生の学費と地元イギリス人との学費が違っていて、留学生からは倍近い金額を取ります。理由は税金の関係なんでしょうかね?(どなたか知っていたら教えてください)生徒の殆どが留学生で地元イギリス人は数人程度です。そう思うと、海外からMBAの留学生を集めることは大学にとってはいい金儲けなんだなぁと思ってしまいました。私の行ってた大学は学費が£16,000(約300万円)と比較的安かったのですが、上位校になると倍以上になります。学費600〜700万円で生徒100人ぐらいだと、ざっと6〜7億円。科目数も必須、選択併せても20教科ぐらい、教授20人に1,000万円の給与を支払ったとしても2億。諸々の経費を引いても、半分近くは利益と考えていいかもしれません。そして毎年留学希望者は増えているようなので、何もしないでも人は集まる。唯一MBAランキング(Financial Times or Economist)のランクを上げるもしくは維持することがマーケティング効果に繋がるかと思いますが、基本的に学校間の競争は殆どないと言ってもいいと思います。客(学生)は何もしないでも来てくれて、市場競争もないとなると、サービスを向上する必要はないですよね。

まぁMBAホルダーになることが一番の目的であれば、学校から卒業証明をもらえれば学校がどう運営されていようと関係ないのかもしれませんが、そもそも学校も学生(顧客)に授業というサービスを提供している組織であることを考えると、その運営方法が気になってしまいました。またMBAを卒業した生徒は経営幹部を目指し(たぶん)ビジネスの第一線で活躍していく人が多いだろうから、彼らがマネーゲームに目がくらみ、金融不況の元凶はMBAホルダーの奴らだ!なんて言われないようにも、ビジネススクールは排出する人材の質に責任を持つ必要があると思います。そうなるとやはり運営方法を考え直すべきじゃないのかなぁと思うんですよね。

「MBA体験談」は美談ばかり

ここはちょっと余談になります。よく会社の採用ページや雑誌に出てる社員のインタビューとか見ると、やたら高学歴の人ばかりだったりします。「MBA体験談」も早稲田、慶應、東大、京大などのトップ校出身者が目立ちます。働いていた会社も誰もが知ってる有名会社だったり。そもそも、こうした体験談を読みたい人はどういう人達なのか、考えたことがないのだろうかといつも思う。こんな優秀な人達であれば体験談なんて読まなくても、自信満々にMBAへアプライするだろう。むしろ、自分の学歴や仕事のスキル、今いる会社の規模などに不安を持ってる人が、自分と同じレベルでもMBAにチャレンジしてる人の体験談を読むことで、自信を持つことができるでしょうし、掲載側は彼らの背中を押してあげることが求められてるのではないかと思う。

体験談の内容も悪いことは殆ど書いてない。まぁ留学斡旋業者のページにネガティブなことが書いてあったら希望者が集まらないですからね(笑)でも実際はMBAを体験してみ「あれ?思ってたものと違う」と感じたことは少なくとも1つや2つはあると思う。会社だって入社してみて「あれ?」と思うことは多くの人が経験していることだと思いますし。こういった情報を出さず、美しいMBAストーリーばかりを全面に出すことで、間違った方向へ導いてしまうこともあると思います。幸いなことにこうしたブログで本音を綴っている人も増えてきているので、上辺だけの情報に惑わされることは少なくなってきてると思います。が、プロとしてビジネスを行ってる業者であれば、もう少し質の高いリアルな情報を提供して欲しいなぁと思いました。

「反省編」「イマイチ編」とネガティブな内容を綴ってきましたが、この後は「とはいえいい点もあった」ポジティブな内容をお届けしたいと思います。大丈夫です、ちゃんと面白いところも見つけてきましたので。

 

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