【仙台~青森】国道45号線の思い出
東日本大震災からそろそろ5ヶ月になろうとしています。東京周辺では東北支援よりもこの夏の電力不足を乗り切れるかどうかに関心が集まっているように思われます。
国道45号線は、宮城県仙台市から海岸沿いに青森県青森市に至る一般国道です。3月の震災で各所で寸断されていましたが、陸前高田市と気仙沼市の間にあった気仙大橋の仮橋が7月10日に完成したことで、ようやく全線復旧しました。
私は国道45号線に多少の縁があります。
今からちょうど25年前の1986年8月8日、私は北海道バイクツーリングの帰路に北海道苫小牧からフェリーに乗り、青森県八戸に上陸しました。当時は八戸と東北自動車道を結ぶ八戸自動車道は未開通だったため、国道45号線沿いに帰ることにしました。久慈、宮古、釜石、大船渡、陸前高田、気仙沼、南三陸と南下して、石巻で一泊し、仙台から国道4号線に入り東京まで帰りました。
つまり、今回の震災による津波で大きな被害を受けた町を、ちょうど四半世紀前に通ったことになります。
当時の記憶を思い出すと、入り組んだ海岸線のすぐ近くまで迫っている山の上から霧が日の光を反射しながら海岸へ流れ落ちてくる幻想的な光景が印象的でした。
このような経緯があって、45号線沿線の風景がどうなっているか気になっていました。
私の周りは現地へボランティアに行った方が多く、複数の方から「実際に見てみないとわからない」「見ておいた方がいい」という話をききました。
それなら「自分の目で見て、これからを考えよう」と決心して、8月2日から2泊3日で現地をバイクで回ってきました。今回は思い立っての出発でしたので、現地でコーディネートしてくれる方がいなくて、とにかくいろいろなところを実際に見ることを目的としました。
災害派遣されていた自衛隊の部隊は、岩手県では7月26日付で、宮城県では8月1日付で任務を終えて撤収しました。自衛隊が引き上げて通常の行政に引き継ぎされた今なら、現地に行ってもじゃまにならない時期と判断しました。
また、8月6日以降は東北各地で祭りと旧盆の時期に入ります。道路や宿の混雑が予想されます。さらに台風の動きや自分のスケジュールと合わせて考えた結果、8月2日の出発になりました。
今回の旅では、スマートフォンを使って現地から位置情報と写真付きでリアルタイムにTwitterでつぶやくことを試してみました。
<【東北へ行って見た】前編>に続きます。