ルーク、フォースを使え
フォースと言えば、スターウォーズですね。スターウォーズの劇場映画第1作(エピソード4)が公開された時は、字幕で「理力」になっていました。
そのころ一部のプログラマーの間で流行ったネタが「ルーク、Forthを使え」でした。Forth言語という名前のプログラミング言語があって、これを引っかけたジョークです。
それから30年過ぎた現在、IT業界でフォースと言えば、まずはセールスフォースのForce.comのことです。
セールスフォースは、Force.comを「クラウドコンピューティングプラットフォーム」と位置づけています。セールスフォースにはCRMアプリケーションパッケージのイメージがあるかもしれませんが、Force.comを使うとCRMアプリケーションと同等のインフラの上で、自分でアプリケーションを開発することができます。Force.comはセールスフォースを使った開発フレームワークだと言った方がわかりやすいかもしれません。
「セールスフォースは気前がいいなあ 」なセールスフォースは、Force.comも無料で試すことができるようにしています。私は開発者ライセンスを契約して、こちらで「オンデマンドアプリケーション開発ガイド」をダウンロードして実際に使って見ました。フレームワークのお約束の範囲内になりますが、アプリケーションはかなり自由に作れます。ユーザ管理やアクセス権管理はセールスフォースのインフラに任せて、効率的に特定業務アプリケーションを開発することができます。
「続:こんな時、何を使って作るか?」で「Online Access(MS Accessのオンライン版)」分野の話をしました。Force.comはOnline Accessのイメージにかなり近い感じです。いろいろ開発ツールを見てきた中で、本家のマイクロソフトがWebブラウザ+Azure対応のAccessをリリースしていない現時点では私のイチ押しの開発ツールです。
ただし、1ユーザあたり月額の価格体系のため、ユーザ数や利用期間によっては割高になる可能性があります。事前によく検討する必要があります。価格表はこちらにあります。
さて、Force.comのようなクラウド型の開発フレームワークが普及すると、アプリケーション開発の現場はどう変わるでしょうか。
仮説1.アプリケーション開発が手軽になって、業務を知っているエンドユーザ(パワーユーザ)は外部に頼むことなく自分でアプリケーションを開発するようになる。これまで何度も言われたエンドユーザコンピューティングが本当に来る。
仮説2.SI会社のSEがユーザと打ち合わせしながら、その場でアプリケーションのプロトタイプを開発していく。
仮説3.SI会社は海外の開発会社とのオフショアで、1つの開発環境を共有して24時間体制でアプリケーションを開発していく。
いずれにしても、SI会社もユーザも、新しい時代に備えておいた方がいいのではと考えます。
SI会社とユーザに、フォースの加護のあらんことを。