必需品それとも贅沢品?
米Gizmodoの4月25日付け記事「Recession Economics: What Can't You Live Without?」経由で知った、米St. Petersburg Timesの4月26日付けコラム記事「Recession changes our definition of 'necessity'」がちょっと面白かった。
記事の内容を乱暴かつ勝手に解釈してまとめると、お金はかかるけれど生活には欠かせない「贅沢品」は、時代や社会によってその中身が変化するものであり、今日のアメリカでは電子レンジよりも家庭用PCや携帯電話の方が必要とされているということらしい(本来の記事の要約には全然なってないけれど…)。
で、この記事の元ネタは、米Pew Research Centerによる調査結果であり、そのオリジナルデータはこちらの「Luxury or Necessity? The Public Makes a U-Turn」で閲覧できる。
個人的に興味深いと思ったのは、米国では衣料用乾燥機が生活必需品として非常に高い地位を占めている点。あれだけ広い国土なのだから、干す場所など全然困らないだろうに…。もしかすると「干して取り込む」というその作業自体が嫌われているのかもしれないと推測してみたり。
あとは、家庭用PCと携帯電話に対する必要性を示す値がほぼ一緒(しかもPCの方が順位が上!)という結果も気になるところ。日本で同じような調査をすれば、おそらく携帯電話が圧倒的に高順位を獲得する一方で、家庭用PCは食器洗い機と同じぐらいの順位になったのではないだろうか。果たして米国では今後この順位に変化が現れるのだろうか?
それから、米国でもケーブルテレビや衛星放送は、実はそれなりに贅沢品に見なされているようで、これはもしかするとやはりYouTubeなどの代替物が登場したことによる影響があるのかもしれない。
このほか、節約方法の第一位が「Bought less expensive brands or shopped more at discount stores」とあり、景気が悪くなると高級ブランド品が敬遠され、安売り店で買うというのは万国共通なんだなと実感。しかし、これ、結果的に「MADE IN JAPAN」がブランドとなってしまった輸出国家という立場にしてみれば、かなり由々しき問題でもある。第二次世界大戦後の復興期に「安いけれど高品質」で商売していた頃とは何もかもが異なる状況な訳で、月並みな話だけれど、これからの日本のメーカーは、やはり欧州のフェラーリみたいなニッチなマーケティングを目指すしかないのかも…。(参考記事:「フェラーリ、過去最高の販売台数を記録…08年実績」レスポンス2月13日)