歌詞DBビジネスのデファクトスタンダードはどこが勝ち取る?
ITmediaの10月9日付け記事「Last.fm、80万曲以上の歌詞を網羅」によると、大手音楽コンテンツプロバイダ「Last.fm」の歌詞検索エンジンに「LyricFind」が採用されたとのこと。
LyricFindは既に、RealNetworksの「Rhapsody」でも採用されており(ITmedia記事「RealNetworksのRhapsodyに歌詞検索」)、同業他社のGracenoteと張り合う形になっている(ITmedia記事「米Yahoo! Musicが無料の歌詞サービス提供」)。
LyricFind、Gracenote共に、音楽出版社から正規のライセンスを受けて歌詞DBサービスを提供している訳だが、注目すべきポイントは提携する出版社の数だろう。 Gracenoteは現在、同社Webサイトの情報によれば、80社以上からライセンスを受けているとある。一方で、LyricFindは「EMI Music Publishing、Warner-Chappell、Sony/ATV、Universal/BMGなど1800社を超える音楽出版社からライセンスを受けた楽曲をカバー」というのだから、単純に推測すれば、Gracenoteよりもさらに多くの歌詞カタログを網羅しているということになりそうだ。
GracenoteはCDDBがiTunesに採用されるなど、音楽CDの楽曲情報データベースとしては他を圧倒するシェアを誇っているが、歌詞データベースに関してはまだそこまでには至っていないと思われる。そして、今回のLast.fmとの提携がそのままLyricFindのデファクトスタンダード化に結びつくことはないとしても、一歩リードした感はある。今後は、どちらがMySpaceやiTunes、そしてAmazonと提携するのかに注目したいところ。
ちなみに、LyricFindのWebサイトにある企業紹介ページでは、サービス開始当初に音楽出版社との交渉で苦労したが、最近は流れが変わってきたため順調だという旨が記されており、ちょっと面白いなと思った。
LyricFindでは検索機能のデモ画面が用意されている。試しに「you say yes i say no」と入力したところ、一発でビートルズの「Hello Goodbye」がヒットした。なお、残念ながら今のところ日本語には対応していないようだ。