日本の昇給率は世界最低!日本人の賃金を考える
昨年末、人事組織コンサルティング会社、ヒューイット・アソシエイツが、主要38カ国に対して行った2007年度の昇給率調査の結果を発表した。
http://www.hewittassociates.com/Intl/AP/ja-JP/AboutHewitt/Newsroom/PressReleases/2007/21-Nov-2007.aspx
2007年の平均昇給率の1位はベネズエラで18.8パーセント。インドは14.4パーセントで4位、中国は8.6パーセントで6位とのこと。一方で、日本の平均昇給率は2.8パーセントでスイスと並び最低水準であり、3パーセントを下回るのは、この二カ国のみ。
これは日本企業のグローバル化にとって由々しき問題だと思います。ヒューイットのレポートにもありますが、もし日本企業で5%くらい昇給したら、これは最大級の評価。でも海外で現地採用者に同じことをしたら、評価されていないと感じる。
一方で日本企業の給与水準は例えばIT技術者で見てみると、かなり高い水準にあることがわかる。少し古いデータだが、テック総研のレポートでは以下の通り、日本のIT技術者の給与水準は非常に高いことが分かる。
http://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?__m=1&p=000421
つまりは、海外でも日本企業の給与水準は通用するものだが、昇給率については海外のほうが高くする必要がある、ということになる。
また日本企業においても、業績回復と従業員給与が連動していないという指摘があちこちからされている。これは人事という枠を超えて、景気回復全体に影を落としている問題と思う。
最近は賃金分野のコンサルティングをすることが少なくなったと感じるが、マクロとミクロの景気回復連動の観点で、日本の従業員の給与が上がる必要性は痛いほど感じる。今後も日本人の給与が上がるべきという観点で色々と考察していきたい。