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人事領域(上流/elearing/ERP)コンサルでの人材開発/人事の一歩先の動向を考えます!

コンサル給与はどう決まるのか -- MBB・Big4・人事コンサルの報酬構造を整理する

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コンサルティング業界の給与水準は、長らく「戦略コンサルが最上位」「Big4がその次」という単純な序列で語られてきました。しかし、ManagementConsultedが整理している最新の業界データを見ると、現在はより明確に"役割と専門性ごとの市場分化"が進んでいることが分かります。

今回のベースは、ManagementConsultedによるコンサル業界全体の給与分析です。
https://managementconsulted.com/consultant-salary/

まず、グローバル基準で見た大枠のレンジから整理します。

MBB(McKinsey・BCG・Bain)は、依然として業界の最上位レンジです。北米市場では、新卒〜MBA入社直後でも総報酬はおおむね14〜16万ドル水準。マネージャー(Engagement Manager / Project Leader)で25〜30万ドル超、プリンシパル〜パートナー層では40万ドル以上も一般的なレンジとして整理されています。高い報酬の背景には、案件単価、意思決定への関与度、アップ・オア・アウト型の人材循環があります。

Big4(Deloitte / PwC / EY / KPMG)は一枚岩ではありません。ManagementConsultedでも明確に指摘されている通り、戦略系ユニットとそれ以外で報酬市場が分かれています。
Strategy & Consulting系(Strategy&、EY-Parthenon等)は、MBBに近いレンジを形成し、新卒〜若手で10万ドル前後、マネージャー層で18〜22万ドル程度。一方、マネジメント/アドバイザリー系はやや抑制的で、安定したレンジと人員規模を特徴としています。

その中で、機能特化型コンサルとして位置づけられるのが、Mercer、Korn Ferry、WTWです。これらはManagementConsulted上では「HR・報酬・組織・タレントに特化した独立した報酬市場」として整理されています。

特徴的なのは、
・初期キャリア(アナリスト〜コンサルタント)の年収はBig4と同水準、もしくはやや抑制的
・一方で、Manager〜Senior Manager以降の伸びが比較的早い
・専門性が明確なため、Principal / Partner帯の報酬は安定して高水準
・短期案件よりも継続的・経営直結型の案件が多い
という点です。

特に、報酬制度設計、グローバルグレーディング、人的資本開示、タレントマネジメントといった領域は、CEO・CHRO・CFOレベルの意思決定と直結します。そのため「何年やったか」よりも「どの領域で信頼を積み上げたか」が報酬に反映されやすい構造になっています。

国内市場に目を向けても、この構造はかなり当てはまります。公開情報や転職市場データを見る限り、
・Big4人事/組織系
・Mercer/Korn Ferry/WTW
はいずれも、マネージャー層で年収1000万〜1500万円帯、シニア層では2000万円前後まで到達するケースが一般化しています。

重要なのは、「どのファームが一番高いか」という単純比較ではありません。
どの専門性が、どの段階で、どのように評価されるのか。
そこに報酬差の本質があります。

戦略コンサルはスピードと選抜性。
人事・組織・報酬コンサルは蓄積と信頼性。

ManagementConsultedのレポートを通じて見えてくるのは、コンサル業界が
ブランド序列の時代から、専門性ベースの市場分化の時代へ
確実に移行しているという事実です。

人的資本やHRが、コストではなく経営そのものとして扱われ始めている。
給与水準は、その結果として現れているに過ぎないのだと思います。

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