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著作権法の拡大が招く進歩抑制

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先日ついにWinny裁判に一応の判決がでました。

この一連の裁判の中で、学生時代に授業でお世話になっていた村井純先生の弁護における発言が私には一番納得性の高いものでした。私が学生時代の先生の授業も自律分散型のネットワークに関してかなり突っ込んだ言及があったことが思い出されます。

基本的に私も音楽にそしてネットワークビジネスに関わるものとして村井先生の主張は意義のあるものだったと思っています。以前の記事(http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/02/16/10925.html)から引用すると・・・

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● 「著作権法違反行為を助長する目的で開発」とする検察側の主張に異議

 弁護人は続いて、検察側の「金子氏が著作権法違反行為を助長する意図を持ってWinnyを開発した」という主張に関して、村井氏に意見を求めた。

 村井氏は「効率の良い情報共有のメカニズムが、著作権法違反行為を助長させることに結び付くということは理解できない」と主張。検察側が、キャッシュやクラスタ化などのWinnyの個別の機能について、著作権法違反行為を助長させる目的を持って搭載されたものだと主張していることをどう思うかという質問に対して、これらの技術は「ネットワークの効率を上げるための洗練された技法であり、これを利用の目的と結び付けて考えるのは理解できない」と述べた。

 また、弁護人からの「検察側は、金子氏がユーザーの要望を聞き入れ、バージョンアップを繰り返したという開発手法も問題視しているようだが、これについてどう思うか」という問いに対しては、「こうした開発手法は一般的なものであり、優れたソフトウェアはユーザーからの要望を聞いてバージョンアップを繰り返すものだ」と答えた。

 金子氏が逮捕・起訴されたことで影響があったかという問いに対しては、「P2Pは大事な概念だが、その研究開発にブレーキがかかったと思う」として、逮捕を受けて公開を中止したP2Pソフトがあることなどについて残念に思っていると述べた。今回の事件に対しては「情報通信の基盤を開発することと、それがどう利用されたかを結び付けて考えられるべきではない。開発すること、運用すること、それがどのように利用されるかということは、分けて考えるべきだ」と語った。

 また、検察側が提出した証拠のうち、京都府警がWinnyを使ったファイル交換の実験を行なった際の説明図についても、村井氏に対して質問が行なわれた。図版には、ルータの内側のネットワークではプライベートアドレスを利用するように書かれているが、実験を行なったというPCにはグローバルアドレスが割り当てられているように書かれており、これではインターネットには接続できず、書かれているIPアドレスやセグメントが間違っていると指摘した。

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Winnyの技術的な側面は、BitTorrent以前では非常に優れたものであると思っており、P2Pにおけるクラスタ化やキャッシュ技術での進歩を進めていくことと著作権違反とはなんら関係ないと私も思います。

要するにそういった不法行為が起こらないようにどのように技術を有効的にかつ、合法的に運用するのかが大事であるのではないでしょうか?

公衆の面前で他人のCDとかかけたり、映画を上映してカネを取ったとしても、その際に使われたCD-Jやプロジェクタの製作者が罪を問われないのと基本的には一緒だと思っています。 さらに、この議論はMP3プレイヤーなどの技術に大しても拡張してみればAppleのジョブスが著作権違反幇助の対象となるか否かに非常に似通っているとも思うのです。Appleも課金制度では一時期大分話題となりましたが、ジョブスを逮捕しろとはいわなかったと思います。

この問題は結局のところWeb2.0の常にβ版という完成のないサービスに潜む違法性リスクの回避をどう捉えていくのかという問題に繋がると思っています。またローレンス・レッシグ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B7%E3%82%B0)のクリエイティブコモンズの考え方も非常に参考になります。

今回の裁判は、その危険な違法利用を認識した上で技術開発・運用していたかが争点となっているようですが、これも疑問な点が多くあります。

そもそも科学技術の進歩に関して大きく貢献している技術は全体的に制御が難しいものが多いのが実情です。ノーベルのダイナマイトやオッペンハイマーやアインシュタインの核技術開発貢献だって使い方を間違えれば大きな犯罪になる。そしてその危険性の認識は開発時からあったに決まっています。でもノーベルやアインシュタインが逮捕されるべき悪人だという主張を私はあまり聞いたことがありません。

著作権法というネットワーク技術が進歩する前の法律で、今の技術を裁くという著作権法の拡大はレッシグ同様、科学技術の進歩を妨げる要素であると考えていますが、大半の皆さんの意見は違うのでしょうか?その辺りコメント頂ければ嬉しいです。

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