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人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

新しい Edge は Google Chrome と違い、タブごとにミュートできます

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mosaic.png大昔、World Wide Web という世界は、Mosaic という Webブラウザと共に幕をあけました。

netscape.pngやがて Mosaic は Netscape Navigator という Webブラウザに置き換わりました。今では信じられないかもしれませんが、当時 Netscape Navigator は有料でした(無償のものもありました)。それでも Netscape Navagator は、Webブラウザの初代王者の座につきました。

ie.pngWebの世界の将来性に気付いた Microsoft は、Windows 95 に Internet Explorer を標準装備し、いわゆる「ブラウザ戦争」が始まりました。一時は「マイクロソフトは OS という強みを武器に、Webブラウザの世界で不当な競争をしている」とまで言われました。それはさておき、Netscape Navigator は戦争に敗れ、Internet Explorer が事実上の覇者になりました。

Chromelogo.png時はすぎ、Firefox、Opera、Safari など他の Webブラウザも人気を得るようになり始めました。そして第三勢力として頭角を現したのが、Google Chrome です。Microsoft の Internet Explorer に代わる新しいブラウザ Edge の不人気もあって、Google Chrome は3番目の覇者として君臨することになりました。

edge2.pngそして2020年、Microsoft はついに Google Chrome に白旗をあげ、Edge を Chrome と同じ「Chronium」というエンジンをベースにしたものに置き換えました。

さて、Edge は息を吹き返したといえるでしょうか。

新しい Edge のエンジンは、Chronium と呼ばれるものです。ざっくり言うと、Google Chrome と同じエンジンです。これまたざっくり言うと、エンジンが同じだから、Google Chrome で表示可能な Webページは、新しい Edge でもほぼ正常に表示できます(細かいところで互換性は 100% ではないみたいですが)。

その一方で、Google Chrome と 新しい Edge は周りをとりまく機能にやや差があります。そのうえ、かつて私の左隣の席で私に色々なことを教えてくださった大先輩、横山哲也さんがおっしゃっているように、Chronium Edge といってもピンとくる方が(IT業界以外では)ほとんどいらっしゃいません。Microsoft は Edge の名前も替えて、全く新しいブラウザとしたほうがよかったかもしれません。結局のところ Google Chrome のほうに軍配が上がる結果になっています。私の知る限り、互換性の問題で Internet Explorer を使わざるを得ない一部の環境を除くと、いまだに Webブラウザの覇者は Google Chrome のような気がします。

そんな中

Google Chrome よりも Microsoft Edge のほうが優れている、というか使いやすいと思える機能をひとつだけ見つけました(だけ、というと語弊がありますけどね)。それは、「タブごとに音声をミュートできる」ということです。

Chrome.PNG複数のWebサイトを表示していて、その複数の Webサイトが全部「音声つき」の場合、あるページだけ音を出して他のページをミュートにしたい、なんてことがあります。いつの頃からか、Google Chrome は「サイトごとにミュート」することしかできなくなりました。同じサイトを一括で ミュート/ミュート解除 するしかできなくなったのです。なぜこうなったのかはナゾです。おまけに、これを使いにくいと思う人もいっぱいいるのでしょう、タブごとにミュートできるような拡張機能も開発されています。

Edge.PNG一方、新しい Edge はここで「タブごとにミュート」できます。同じサイトの異なるページを複数開いても、ちゃんとタブ単位(ページ)でミュートできるのです。これには助けられました。しかも、Ctrl + M というショートカットまであります。

実は先日、Google Chrome + Google Meet を使って研修を実施したんです。Google Meet はブレイクアウトルームが使えるようになりましたが、今回のお客様はかつて作った「グループワーク用の会議室」を活用しています。受講者の方は、あらかじめ作られているグループワーク用の会議室に適宜移動して、そこでグループワークを行います。私は講師ですので、すべてのグループワーク用の会議室に同時に参加して、グループワークの様子を観察するのですが、

すべてのグループワークの声が同時に聞こえ、聖徳太子気分になる

という問題が発生して困っていたんです。しかも Google Chrome だと「サイトごとにミュート」なので、ひとつの Google Meet のタブをミュートにすると、他のすべての Google Meet のタブもミートになっちゃうんです(別ウインドウにしても同じ)。お客様の環境なので勝手に拡張機能を追加するわけにもいかず・・・

と、ここで、新しい Edge も使用可能なことに気づき、ダメ元で開いてみました。で、上記の「タブのミュート」に気付いたんです。やったー。これで、グループワークをひとつずつ、「ずいずいずっころばし」状態で見て回ることができるようになりました。

今まで Edge を使う積極的な理由がなかったのですが、これで Edge の存在理由がひとつ見つかりました。

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