16. 社長はつらい
先日、こんな記事をみつけました。
記事がリンク切れになっては困るので、いちおうサマリーを。
「八起会」(倒産110番)という、企業を倒産に追い込んでしまった倒産社長の会が、会員の議論を通じた結果としてまとめた「倒産の原因ベスト10」を次のように発表している。
(1)経営者の高慢、経営能力の過信
(2)社員教育の不備、欠如
(3)事業目的・目標・計画性の欠如
(4)業界情報の不足と環境変化への対応
(5)新商品の欠如、技術開発の遅延
(6)家庭不和、同族経営の弊害
(7)公私混同、経営哲学の欠如
(8)決断力・実行力の欠如
(9)計数管理の不足と勉強不足
(10)ワンマン、反省心の不足ここから読み取れる「倒産の理由」が3つある。ひとつめは「すべて内部要因である」ということ、ふたつめは「すべて経営トップに起因する」ということ、みっつめは「企業の方向性が不明確/環境の変化に対応できていない」ということである。
経営者モドキの私としても、なんとも耳の痛いお話です。とくに「事業目的・目標・計画性」なんてのは、会社の規模にはまったく関係なく必要なものです。「ウチは誰に価値を提供する、何のための会社なのか?」ということを明確に定義できていないと、すぐに方向性を見失います。
一方で、「何を売る会社なのか?」ということは、逆に明確に定義しないほうがいいのではないか、とも考えます。「誰に価値を提供するのか?」とか、「どのような価値が提供できるのか?」ということを定義した上で、「では、その価値を具現化した商品は何か?」という部分は、社会や環境の変化に応じて柔軟に変えていったほうがいいのでしょう。
また、これは社長に限ったことではありません。従業員の方ひとりひとりが、「自分はどんな価値を顧客に、または勤めている会社に提供しているか?」ということが説明できないといけない、と思うのです。「価値とは何か」というのも難しいのですが、とりあえずは短絡的に「お金を稼ぐ元」と考えてもいいかもしれません。誰もタダでお金をめぐんではくれません。あなたが提供する「価値」を、お金を出して買っている、と考えるとわかりやすいでしょう。
「あなたは、誰にどんな価値を提供しているか」ということが、きちんと説明できますか?
え?私?私は・・・