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人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

25.フェルミ推定は面白い

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ひとつ前の記事に TETSU さんがコメントをくださいました。その中に「フェルミ推定」というのがあったので、せっかくですからご紹介しておきます。これ、かなり面白いです。

「日本中の電柱の数は?」とか「日本中に床屋さんは何軒あるか?」といったような、つかみどころのない数量や大きさなどを、何らかのロジックをあてはめて短時間で概算することを「フェルミ推定」といいます。ノーベル物理学賞の受賞者でもある物理学者、エンリコ・フェルミ氏がこうした推定能力に長けていたことから、氏に敬意を表してこのように表現されています。

コスト計算や市場規模の把握など、何かを考える際には定量的な測定が欠かせません。その値を実際に測定できれば良いのですが、規模が大きすぎたり、調べるのにコストや時間がかかりすぎたり、調べる方法がわからなかったりして、測定が不可能であることはたくさんあります。そのような場合「調べるための時間をかける」ことや「調べることができないからわからない」ということで考えるのをやめてしまうのではなく、概算でよいからとにかく出してみるということが大切なのです。

フェルミ推定のルールは3つです。

  1. 今知っている知識だけで考える。フェルミ推定をするために新しい調べ物をしない。
  2. それなりに妥当なロジックをあてはめる。
  3. 5分以内に答えを出す。ただし、電卓は使っても良い。

では、試しに「日本中に床屋さんは何軒あるか?」という雲を掴むような問題を、フェルミ推定を使って考えてみましょう。

まず、日本の人口は約1億3千万人です。これは有名な数字ですね。しかしこの1億3千万人は赤ちゃんからお年寄りまで、男性も女性もすべて含まれています。そこで、この中から何人が床屋さんに行くか、という数字を仮説をたてて考えます。

そうですね、床屋さんに行くのはほぼ男性です。しかし、男性の一部は床屋さんに行かずに美容院に行くでしょうね。ですから、だいたい 1/3 ぐらいが床屋さんに行く、と仮定しましょう。これらの人が、平均して2ヶ月に1回ぐらい床屋さんに行くでしょうか。1ヶ月あたり 1/2 回ですね。で、床屋さんにも色々な価格帯がありますけど、だいたい 4,500円ぐらいであると仮定します。

すると、床屋さんの1ヶ月あたりの全国市場は、1億3千万人 × 1/3 × 1/2 × 4,500円 = 975億円 です。

一方、1軒の床屋さんには数人の従業員がいます。1軒の床屋さんの売上は、少なくとも1ヶ月あたり100万円は必要でしょう。ですから、975億円の市場を1軒あたりの売上100万円で割ると、何軒の床屋さんで市場が飽和するか、ということがわかります。すると、97,500 という数字が出ました。

ここで総務省統計局のサイトを見て、実際に床屋さんは何軒あるか調べてみます。すると、平成24年時点で 89,632軒であることがわかります。これだけ近似すればたいしたもんです。

こういうのがフェルミ推定です。調べられないのでわからない、というようなものであっても、妥当っぽく聞こえるロジックをあてはめて簡単に計算すれば、それなりの値が出てくるものです。そうやって導き出した数字を使って、課題を解決する一助とするわけです。

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