オルタナティブ・ブログ > 田中淳子の”大人の学び”支援隊! >

人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「キャリア研修なんかしたら大変なことになる」って心配していていいのかな?

»

「VUCA時代のマネジメント」
「VUCA時代のリーダーシップ」
「VUCA時代のイノベーション」
「VUCA時代の」ってつけると、いろんなことが言えますが、読み方を知ったのは今年です。2020年。

ずっと「びゅーか」と読んでいました。

「ブーカ」なんですね。

で、「ブーカ」と知ると、

「ブブカ」とか「ブースカ」とか、やたらと昭和な記憶が喚起され、VUCAを見ると、セットで思い出す、脳内リフレインする、という状況。あかん。

さて、そのVUCA、何の略かと言えば、

Volitility
Uncertainty
Complexity
Ambiguity

おお、どれも日本人に発音しづらい。せいぜい、Complexityくらいかな、ちゃんと発音できそうなのは。

たぶん、VUCA、VUCAと連呼する方でも、何の略かを即答できないんじゃないかと推測しています。

それはさておき。

今年2020年ほど、VUCAを実感したことはなかったのではないでしょうか。

移り変わりが激しくて(V)、確実なことは一つもなく(U)、複雑怪奇で(C)、何をどうしたらいいのかも曖昧過ぎて答えわからん(A)。

そんな2020年、まさにVUCA!!!

2019年までは、「また新しい言葉を誰かが生み出しちゃったよ」と思っていましたが、(だから、読み方も調べなかったのですが)いよいよますます、ブーカです。

そういうVUCAな時代を生きる私たちは、明日のキャリアも混とんとしているので、キャリア自律ってことはより一層大事になってきていて、だから、自分のキャリアを考えることは今まで以上に重要なことなんだと思います。

経営者や人事、人材開発の担当者に「キャリア開発に関連する研修やワークショップをしませんか?していますか?」と提案すると、時々、本当時々ではありますが、

キャリア研修なんかして、社員が目覚めちゃったらどうするんですか?

と真顔で言われることがありまして、

その「目覚めちゃったら」とは、何を指しているかというと、「ここじゃない!転職しなきゃと思ってしまったら」「離職のきっかけになってしまったら」という意味なんですが、
それって、2つの点で、おかしな心配だなと思っています。

1つ目:

「そんなに自社に自信がないんですか?」
「魅力ある職場にする努力をすればいいじゃないですか」

↑経営者やマネジメントの責任範囲だと思う。


2つ目:

「目覚めていない社員ばかりがいる状態でよいですか?」

↑目覚めたら困るって、そんなみんな寝ていていいんですか?


理想は、

・全員、目がぱきっと開いていて、完全に覚醒していて、
・それでいて、ここで仕事するのが好き!ここでやりがいを追求したい!

という人と組織を育てることじゃないかなと思うんですね。


来年2021年はますますVUCAが加速するでしょう。

目がカーッと見開いた元気な社員を育て、そういう社員が働き甲斐を持って活躍できる組織を作る。

そういう方向に頑張ってみるほうが楽しそうです。


人事や人材開発部門の方で、経営者などから「そんな研修して、目が覚めちゃったらどうするんだ?」と言われたら、このブログを喪黒腹造(※)みたいに経営者に「だーっ!」と差し出してみてください。

(※これは、ぎりぎり平成だった)

==================

春頃、これ、読みました。

Comment(0)