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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「働かないおじさん」問題

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先日、某所で流れていたTVを見るともなしに見ていたら、ちょうど夕方NEWSの時間で、

「働かないおじさん」特集

をやっていました。

顔だけ隠した若い、主に女性が「職場の働かないおじさん」について街頭インタビューに答え、有識者がこの問題について解説するというような内容でした。(じっと見ていたわけでもないので、だいたいそんな感じだったはず)

「働かないおじさん」問題、職場にいるいる、あるある、で語っている街中の若い人々の弁によると、

「朝から特にやることもなく、ずっとスマホゲームをしている」
「大した仕事をしないのに給料は一番高いという噂」

などと話していて、どこまでが真実なのか、よくわかりませんが、

「働かないおじさん」をタイトルにした本が出版されていることからも、多くの企業で問題になっているのでしょう。

で、これが話題になるとき、いつも「おじさん」自身に問題がある、「おじさん」が意識改革をしなければならない、という文脈で語られるのですが、本当にそうなんだろうか?と最近、疑問に思うようになりました。

「働かないおじさん」が生まれ、「働かないおじさん」のままでいられる、そういう環境、構造的な問題はありませんか?と思うわけです。

「働かないおじさん」が生息可能な環境があるからこそ、誕生し、増殖していくのじゃないかしら?


どんな「種」でも「生存」が難しくなると、滅びていきます。だから、「絶滅危惧種」(危惧はされていないだろうけれど)となるような環境になってしまえば、「働くおじさん」に変わらざるを得ないのではないでしょうか。

ところで、この話、よく若い方たちから批判的に聞こえてきますが、自分たちもやがて年齢を重ね、「おじさん」「おばさん」になるということは忘れがちです。

気を付けていないと、自分もやがて、「働かないおじさん・おばさん」と、さらに若い人たちから言われるようになってしまうので、問題だ!と思っているのであれば、自分たちもまた学び続け、柔軟に変化できる人であろうと頑張ったほうがよいとも思います。

※「環境」「構造」のせいであって、おじさん・おばさん自身は何もしなくてよい、と言っているわけではありません。おじさんもおばさんも世の中の変化に少しでも追いついて、何歳になっても成長していくことが結果的には、自分のサバイバル能力を上げることにつながるはずです。


「働かないおじさん」と"男性"だけが語られるのは、50歳以上に女性が少ないからでしょう。

実際には、「働かないおじさん」「働かないおばさん」がいるのだと思いますが、それをひっくるめて「はたらかないおじさん」問題と呼んでいるようです。

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おじさんといえば、この本がとても良かったので、おススメです。

素敵なおじさんが大勢登場します。

こんな本を読んだこともあります。

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