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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

マネージャは「ロール」(役割)なのだから、「ロールプレイ」をすればよいと思う。

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マネージャになることを、「出世」などと言いますが、それは、昭和の感覚かもしれません。


もちろん、人事制度上、マネージャにならないと給料が上がらない、という仕組みであれば、「マネージャになる」=「給料が上がる」=「出世」という感覚は理解できますが、とはいえ、実際には、「マネージャ」はただの「ロール」だと思うのです。特に、今の時代。若者もそう思っているに違いない。

偉いわけでも、誰よりも高い地位にいるわけでもなく、「マネジメントを担う"ロール"」つまり「役割」です。

その役割(Role)を担うためには、ちゃんと勉強しなければならないし、経験学習をして、内省を繰り返し、常に役割としてのマネージャが機能するように努力もしなければならない。

「マネージャ」が「ゴール(上がり)」だったのは、とっくの昔の昭和60年代くらいまでの話で、今は、きちんと「ロール」を果たしてください、ってことが期待されていると思うのですね。

だから、昔のマネージャより、今のマネージャのほうがうんと難易度高い。昭和5-60年代にマネージャだった方が今の組織をマネジメントしようと思ったら、歯が立たないのではないかしら、とよく思います。

そう、ここまで書いていて思いました。

「マネージャになることは、ゴール」だったのが昭和だとすれば、
平成、令和は、「マネージャになることは、ただのロール」なのです。


ゴールからロールへ。(うまいこと言った気分ですが、大したことない)

で、ここからは、「マネージャはロールだ」という前提で話しますけれど、「ロール」だとするならば、です。

「ロール」を「プレイ」すればよい。

「マネージャ」という「ロール」を「プレイ」。

何かと言うと、自分の本音と多少違っても、「ロール」として言うべきこと、するべきことがあれば、「プレイ」としての言動をすればよい、という話です。

たとえばですね。

部下がマネージャにとっては、訳わからんことを言ってきたとしましょう。

あくまでも、「マネージャにとっては」ですが、とにかく、マネージャは、「部下の言っていることは訳わからん」とします。

その時、「あー、もう何言ってんだかわからない。もう一度で直してこい!」と言いたくなったり、「君の言っていることは、ただの愚痴で、生産性がない!」と説教したくなったりするかもしれないですが、それは「本音」「自分の素」過ぎるので、「ロール」として「プレイ」すればよいと思うのです。

「ああ、なるほど。●●が××したわけね。それで具体的には?」「それでどうなったの?」といったんは受け止めて、まずは、部下の話に耳を傾けてみたらよいと思うわけです。


本音では、「ああ、メンドクサイ」と思っていてもよいから、「ロール」を「プレイ」するつもりで、「なるほど。それで?」と聞けばよい。

そういうことを研修などで話すと、「いやぁー、現場は忙しいから、そんな悠長なこと、言ってられないんですよね」「出直してこいって言いたくなる」と、なぜか皆さん、本音炸裂気味に言われるのですが、そこはほれ、「ロール」ですよ。

役割として、演技すればいいだけの話です。

よく本などに、マネージャは部下を信じて、愛して、心から応援しなければならない、などと書いていたりしますけれど、そんなこと、できん!と思う場面も相手もいるはず。

だからといって、いちいち本音を炸裂させていても、いいことはない。

部下がふてくされたり、より委縮して、本領発揮できなくなったり、メンタルに師匠が来たり、ろくなことがない。

マネージャは、「役割」なのだから、「演技」でよいから、「なるほど」「もう少し聞かせて」と言えばいい。

部下を委縮させても何も出てこないけれど、「あ、なるほど、と言われた。じゃあ、その先を話そうかな」と思う部下も出てくることでしょう。

マネージャの本音は、また別のところで炸裂させるとして、部下に対しては、特に「ロールプレイ」のつもりで、「どうすればよりよい成果に繋がるぁ」計算して、振舞ってみてはどうなんでしょう?

ロールプレイ的な振る舞いって、実は、若い人ほど得意なのだと思います。若い人は、たくさんのペルソナを瞬時に切り換えながら、様々な相手とうまくコミュニケーションをすることができています。

中高年のマネージャも「レッツ!ロールプレイ」(※)です。まずは頑張ってみましょう。(※英語になってない)

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この本、難しいです。私は、15年くらい前に買いましたが、1ページも読めませんでした。数行で諦めました。そして捨てずにまだまだ持っています。読まない癖に読んでいない本を処分できない症候群です。

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