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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

イチローは、イチローさんになった。

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イチローの引退会見に感銘を受けて、それは、野球人としてどうのこうの、ということではなく、いや、そもそも、野球については全く詳しくなく、まあ、ルールくらいは知っているものの(なんせ、小学生時代は、ソフトボール選手だった)、とは言え、プロ野球だの大リーグだの何がなにやら、という状態なので、引退会見の何が心に響いたのかといえば、それは、ミドルやシニアが目指すべき「キャリア」のひとつの姿やその根底にある考え方、心構えのようなものがさりげない言葉に込められていたからで、その言葉一つ一つに重みがあるのは、本人のとぼけた口調とは裏腹に、20年も30年も一線で、時に孤独と戦いながらも、結果を残してきた人だからこそだなと思ったりしたのだった。(という、やたらと一文が長い書き手がたまにいますよね、それを真似してみました)

そして、あまりに感銘を受けた私は、何度も繰り返し読み、ネットにある「引退会見全文」を印刷までして、マーカーで線を引いたりして、「これいつか、キャリア研修で使いたいな」と思った温めていたのだが、つい先日、新入社員研修で「イチローの引退会見でこんな話が出て、キャリアの考え方で言うと〇〇ってことに通じ・・・」と語ってはみたけれど、反応イマイチで、1996-7年生まれの新入社員の皆さんには、イチローはたぶん、中年のおじさんで、あまりピンとこなかった・・・のかも知れない。

そんなわけで、「愛されシニア」の締め切りが近づいている中での引退会見だったので、これはミドルシニアのキャリアと重ねて考えてみたいなと、コラムの中で熱く引用してみたのだったが、その原稿を編集者とやり取りしている最中、世間の論調というか、イチローの扱い方が変化し始めていることに気づいた。

それはまさに呼称のことで、「イチロー」ではなく、「イチローさん」に変わったメディアが多くなってきたのだ。

入稿した時点では「イチロー」と書いていたのだけれど、初校が戻ってきたころで、各種メディアでは「イチローさん」と言い方を変え始めていた。そう、彼は「イチローさん」と敬称を付ける存在になったのだな、それが引退したってことなんだな、とナットクし、コラムのほうも、「イチロー」から「イチローさん」に変えて戻した。

・・・・という、誰の文体を真似しているんだかわからないような長文を書いてみたが、日経Biz Gate「愛されシニア」13回目、公開されました。

タイトル:イチローさんに学ぶキャリアの重ね方、チャレンジは50代でも遅くない

※おかげ様でこの連載、1年続きました。月1回なので、今回で13回目、2年目に突入です。ありがとうございます。

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なんだか気になる本を見つけました。(まだ読んでない)

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