【企業事例】サントリーシステムテクノロジー様「50歳からのキャリアプラン・ワークショップ」
数年前から、「50歳以上のいわゆる"シニア"社員の活躍を推進したい」という要望や相談は、「女性活躍を推進したい」よりも100倍ほど多く寄せられており、「女性活躍推進法」と共に「シニア活躍推進法」を作って、シニアの処遇やシニアのモチベーションアップやシニアの教育(リカレント教育も含め)などの支援を企業が行うことを(努力)義務化にしてもよいのではないか?というほどの勢いです。
何度もここで書いていますが、私が入社した年(1986年)は、定年が60歳でした。50代の大先輩たちは基本的に管理職または閑職(失礼!)にあり、いずれにしても、定年前は、のんびり過ごせるのだなぁと思ったものでした。
それが、数年前、65歳までの希望者全員の雇用が企業には義務付けられ、多くの企業では、「定年撤廃」でも「定年65歳まで延長」でもなく、「60歳定年+雇用延長65歳まで」という仕組みを取り入れ、65歳まで働けるようにしました。
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さて、ここで考えなければならないことが発生します。
50歳で「残り10年を切ったな」と思っていた世代(私もそうです)にとって、突然、ゴールテープが5年先に移動した状況、しかも、そのゴールテープは、会社じゃなくて、自分で設定できるとなった状況において、シニアははたと悩み始めます。
「何歳まで働くのか?」
「何歳まで"この会社"で働くのか?」
「長く働くとして、今の自分のままで大丈夫か?」
「自分は何を学び直し、何を忘れる(古いから)必要があるのか?」
「果たして自分は役立っているのか?」
「若者から見て、迷惑な存在になっていないか?」
「まだまだ新しいことに挑戦はできるのか?」
「辞めたらどうするのか?」
などなど。
企業にとっても、60歳定年であれば+アゲアゲ状況であれば、「残り5年くらいのんびり過ごしてもらっていいですよ」とシニアにのんびりしてもらうということもできたかもしれませんが(80年代のシニアはまさにそうだったと思う。今思えば、少しうらやましいw)、そうも言っていられなくなりました。
さらに、ここにきて、「70歳までの就労」を促進しそうな勢いになってきて、「50歳」は、「あと20年は働く」可能性すら出てきました。100年生きる時代では、まだまだひよっこです。
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サントリーシステムテクノロジー様では、「シニアにあまり学習機会を作ってこなかったけれど、キャリアデザインを考えることはどの年齢層でも必要だ」とお考えになり、「50歳以上のキャリアを支援する」何かをしたいのだが、と相談してくださいました。
そこからいろいろあって、「50歳からのキャリアプラン・ワークショップ」という「ワークショップ」を開発し、提供しました。
このプログラムは、「ワークショップデザイン」のプロフェッショナル集団である株式会社ミミクリデザイン社とコラボし、ミミクリデザイン社の多大なるご協力を得て完成したものです。
このワークショップを企画する際、真っ先に考えたのは、以下のことです。
・50歳を過ぎて、いまさら、「キャリアとはこういうものだ」といった講義を聴くのは苦痛だ(ろう)
・講師にいろいろ言われて、何かに気づくという形式は取りたくない
・自分のキャリアを自分で考えたり、誰かのキャリアを聴いたりしながら、へぇ、とか、あるある!といった発見、気づく、内省があったら楽しそう
・そして、楽しく役立つ学びの機会にするために、従来型の研修ではなく、「ワークショップ」という形式で行いたい
つまりは、「もし、私が受けるなら、こういうものがいい!」を最優先にしたのです。
ミミクリデザインの安斎勇樹さんとはじめとして、多くの方にご支援いただき、ワークショップは完成し、日本で初めて、いや、世界で初めてのワークショップを開催したのは、2018年10月のことです。
蓋を開けるまで多少心配もありましたが、皆さん、ノリノリで参加され、思った以上の成果があったように思います。
簡単に申しますと、「50年以上」生きてきて、「30年以上」働いてきて、その「30年以上」のキャリアを振り返り、自伝を作成するとしたら、どんなタイトルの、どんな表紙の本にするかを考え、実際に作ってみる。さらに、今後のキャリアを考えた場合、2冊目の本を作るならば、どんなタイトルでどんな表紙にしたいかを考えてみる、といった内容です。
実際に本を作りました! 全員、全く異なる、自由な発想の本です。書店に専門コーナーを作りたいほどの出来栄えでした。
この本は、お土産に持ち帰っていただきましたが、中は真っ白な「白い本」という素材を使いましたので、自分の日記帳として使ってもよいし、これから数十年のキャリアの記録を残すために使ってもよいし、どんな使い方も自由です。
このワークショップ、サントリーシステムテクノロジー様にご提供する前には、企画しかなく、内容は詰められていませんでした。(お声がけいただく前に、「50歳以上のキャリアを考えるワークショップを作りたい」という話をミミクリデザイン社には持ち掛けていたのですが、なかなか先に進められずに悩んでいたところでした)
「まだ形がないですが、これから作るのですが、いかがですか?」とサントリーシステムテクノロジー様に正直にお伝えしたところ、「まだどこもやったことがないワークショップなら、うちでやってみたい!」とおっしゃっていただき、実現しました。
さすが、「やってみなはれ!」の気風がある企業です。感謝しかありません。
この度、その「50歳からのキャリアプラン・ワークショップ」を開催するにあたってのお客様の想いやその後ことなどをインタビューし、企業事例として作成しました。
詳細は、以下のリンク先をご覧いただければと思います。
「サントリーシステムテクノロジー様事例 「50代社員向けキャリアプランワークショップ」」
<ワークショップの詳細>
「50歳からのキャリアプラン・ワークショップ」
<株式会社ミミクリデザイン様との合同プレスリリース>
「プレスリリース」
<株式会社ミミクリデザイン様ホームページ>
株式会社ミミクリデザイン
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そういえば、だいぶ前にこの本読んだなぁとフト思い出しました。
開高健さんも山口瞳さんもサントリー宣伝部ご出身なのですよね。仕事が楽しそう。