「門前の小僧、習わぬ経は読めない」時代に
昨日(1/30)は、勤務先(グローバルナレッジネットワーク)で、若手育成をテーマにしたセミナーを開催し、多くのお客様にお集まりいただきました。このブログでご案内したのをご覧になって来場してくださった方もいらっしゃいました。ありがとうございました。
今日はセミナーの中で「若手育成」について、私がお話したことを受けて、みなさんが対話した中から(50分ほどの自由な対話時間を設けました)、いくつかポイントを拾って、ご紹介したいと思います。
●若手を育てる際、現場がゴールとする「人材像」についてが会社が求める人材と合っているのかな?
・企業の中長期経営計画の中に「求める人材」といったことを定義しているケースは多い。だけれども、いざ、現場のOJTという話になった時、OJTで育てる対象である新入社員(~3年目くらいまで)を「どういう人材に育てるか」を議論すると、「現場が必要としている人」という視点になってしまう。
・つまり・・・。
・中経となんら連携を取らず、現場視点でのボトムアップな「人材像」をゴールととらえてしまうことが多い
・これって、マズいよね。
⇒うん、なるほど、なるほど。これは、OJT支援をしている私もココロしないといけないことです。
●4-50代の人の「若手育成」に関する”感覚”のズレについて
・「オレ・ワタシは、特に誰からも丁寧に育ててもらっていない。先輩たちの背中を見ながら育ってきたんだ。だから、今だって新人をそんなに懇切丁寧に指導しなければならないことはないだろう。彼らもオレ・ワタシたちの背中を見て育てばいいんじゃないの?OJT担当者なんてつけなくたって、仕事しながら育つだろう?違う?」という感覚がまだ根強い。この意識改革、難しい。
⇒これに対して、私からの解説は、以下の通り。
・「背中を見て育つ」と言うけれど、「背中」が今は存在していないケースが多い。セキュリティの関係で入れない場所、見えないデータ、話せない相手が増えている。あるいは、コンプライアンス、個人情報などの絡みで、漏れ聞こえてくる情報(実は、漏れ聞こえてくる情報で学んでいたことは非常に多かったはず)も激減している。日常のコミュニケーションは電子的になされ、「先輩のしていることから学ぶ」チャンスが本当に少ない。なんせ、「背中」が見えないのだから。
・よく、ゆとり世代だから、と言うけれど、そういう世代論よりも、はたらく人を取り巻く環境の激変のほうに目を向けたほうがいい。
・つまり、
いまは、「門前の小僧、習わぬ経は読めない」時代になっている。
・たぶん、20年前だったら、門前にいれば、お堂の中からお経が聞こえてきたでしょう。いまは、お経が聞こえてこない。それなのに、「背中見て育て」というのは、「門前にいればお経の一つや二つ覚えるもんでしょ?」と言っているのに等しい。
・そう考えると、若手育成に対する感覚の違いは、もしかすると、4-50代の意識改革のほうが大事で、その意識改革とは、まさに4-50代の「Un-Learn」(学習棄却、学びほぐし)と「Re-Learn(学び直し)」という課題にもつながるのではないだろうか。
・環境の変化により、若手がすでに肌感覚で学べなくなっていることは、先輩たちがしっかり教える。そのほうが、立ち上げも早くなる。
・・・・・。
若手に変われと言うとき、ベテランは変わっているのか、というテーマ。
どの組織でも大なり小なり抱えている課題ではないかと思ったりしました。
ほかにも「どの組織でも共通する課題」がいくつか挙がりましたので、それはまたブログ内でおいおいお伝えしていきたいと考えています。
なお、まだ詳細の発表準備が整っておりませんが、3月初旬に、「経験学習」をテーマにしたセミナーを開催予定です。素敵なゲストスピーカーもお招きし、来場者参加型のわくわくセミナー企画中です。(人事部、人事開発部の方向けのセミナーです)
詳細は近々、このブログや勤務先Webサイト、Facebookページなどでもご案内したいと思います。ご興味ある方は、なんとなく気にかけていただけると嬉しいです。私も登壇し、対話タイムのファシリテーションをします。
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昨日のセミナー参加の方のうち、お二人から、
「実は、田中さんのTwitter、フォローしているんですよ」
と言われ、急にドギマギしてしまいました。うわ、うわ、それは、どちら様で?と・・・。
お二方とも私もフォローしている方でした。ほっ。
こういうの、なぜか焦りますねー。(でもありがとうございます♪)
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