人を動かすのはポジションではなく、想いである
よく「自分はそのポジション(地位)にいないから無理」とか「上司がやってくれればいいのに」とかそんな風に自分の「ポジション」を理由にして、動かないことがあります。
あるいは、「これをしたい」「こうしたい」と提案してみたものの、何人かから反対されたり、何人かが聞く耳を持ってくれなかったりすると、それを取り下げ、「うちの人たちはわかっていない」「この人たちに言っても無駄」とあきらめてしまうケースもあります。
何かを変えたい、何かを動かしたいと思ったら、ポジションがあろうがなかろうが、どこかに風穴が開くまで言い続ける、動き続けることが大事なんだと思うんです。
聴く耳を持つ人がいない、と、たった1回か2回言ってみたら諦めるのでなく、聴く耳を持ってもらえるような言い方をする、というように、自分側の努力も必要です。
「ああ、言ってみたけどダメだった。どうせここの人は、●●なんて考え方は受け入れられないんだよね」といって案をひっこめ、「無駄だ」「やめたやめたー」とヤケ酒のんでしまうのは、本当は本気ではなかったのかもしれません。
「私はこうしたいと思って提案した」けど「この文化が、ここの風土がそれを受け入れてくれなかったから」と理由づけしたとき、それは、単に「すっぱいブドウ」化しただけなんですね、きっと。
本気で何かをしたいとき、
本気で何かを変えたいとき、
本気でどーにかしたいとき、
本気で実現したい何かがあるとき、
1回や2回の反対や抵抗にめげることなく、何度でもぶつかっていくはず。
そりゃ同じ方法ではダメかもしれないけれど、手を変え品を変えして、アプローチしていく。
そのうち、1人2人と話を聴いてくれる人が現れる。そして賛同者が増えてくる。協力してくれる人も登場する。そういった人たちのチカラを借りて、崩れないと思われる大きな岩でも崩していく。
「こいつ本気なんだ」と周囲がだんだんと耳を傾ける、巻き込まれて動き始める。そういうタイミングが来るはずなんです。ちゃんとしたことを言っていれば。ちゃんとしたことをやっていれば。
「ホンキ」な人はやり続ける人。諦めない。想いがある。熱い想いが。
うちのボスがこの間いいこと言いました。
「提案者自身が本気でないなら物事はうまくいかないと思う。どんなにマネージャが許可しようが、どんなに組織で仕組み整えようが、提案者(推進者)が本気の本気でなければ、先に進まないし、いい結果出ない」
本当にそうだなあーと思ったのでした。
物事を動かすのは、マネージャといったポジションではなく、想いなんだ、と改めて感じたのです。
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世の中には数多くの「ホンキな人」がいるものですが、中でも小倉昌男さんの「ホンキ」は、何度読んでもほれぼれします。宅急便を実現するまで、社内外(国とも組合ともドライバーとも役員とも)いろんな困難に立ち向かい、話し合い、言い続け、動き続け。すごいんです。
「ホンキな人」の本です。熱いホンキな本です。