OJTにおいて、新人だけでなく、指導にあたるOJT担当者のことも褒めてあげてほしい
最近、若手の営業が入社してきて、彼のOJT担当としてやはり若手のちょい先輩がついています。年齢はおそらく1つくらいの違いなんじゃないかと。 ただ、社歴の差がある分だけ、先輩くんのほうが、社内の仕組みや仕事の進め方、あるいは、顧客についてなど多くを知っているわけで、だから、キャリア採用者であっても一定期間はOJT担当が付くというのは、立ち上がりを早くするために有効です。
先輩くんのほうが時々、「これはこういう風にするルールだから」ということを教えている場面を見かけます。なんとなくいい表情なんですね。 しっかりしている、というか、しゃきっとしている、というか。 やはり、人は「育てる、教える」相手とか「後輩」というものができると、表情やたたずまいのステージが上がるんだな、と微笑ましく見ています。
んで、ある時、「おっ、先輩らしく教えてるねっ! いいねっ!」と言ってみるとともに、指導を受けている新人君(中途採用ですけども)にも、「彼は若手ナンバーワンの一人だから、彼と一緒に仕事できるのは、いいねー」と言ってみました。
つまりですね。
●OJT担当側(先輩側)の「頑張っている様子」を本人に「いいね!」と言い、
●教わっている側(後輩側)には、「あの先輩はいい先輩だよー」と言う
ということをしてみたのです。
もちろん、
●後輩君にも、「どんな思いがあって転職してきたの?」なんてビジョンを聞いてみる
といったこともしましたけれども。
そんな風に「お局様」としては、他部署のOJTのことも微笑ましく見守ったりしています。
さて、先日、ワーキングマザーである同僚に、「淳子さんにお奨め!」といって貸してもらった本が、明橋大二さん著 『子育てハッピーアドバイスようこそ 初孫の巻 孫が幸せに育つために』 (1万年堂出版)です。 これ、よく新聞にでかでかと広告が出ていて、「どんだけ広告費かけているんだ」と不審に思っていた本ですが、読んでみたら、面白い!
(「初孫」ではなく、「初甥っ子」に関わるおば馬鹿というのは、祖父母と似た立場にあるので、「ああ、わかるわかる」「そうか、なるほど」と思うことばかりでした)
両親ではない立場で子育て支援に関わらる場合、どんなスタンスが最も子供にとっても両親にとってもよいのか、ということが具体例で語られています。
そして、一番印象に残ったのは、
「基本的には、父母、特に、母親の子育てをほめてもらいたいと思います」
「母親にとっては、ただでさえ初めての子育てで不安で自信がないときに、周囲から「もっとこうしたら?」と言われることが、自分の子育てを否定されることになるからです」
「何よりも必要なことは、まず母親が、周囲から認められて、ほめてもらって、安心感を持ち、母親としての自信をもつこと」
「自己肯定感は、子どもだけでなく、母親にとっても、本当に必要なこと <略> 自分の子育てに自信が持てて初めて、周囲のアドバイスも受け入れることができる」
といったくだりです。
そうだなー、子どもが何かできるようになったら、「おぉー、すごい! 一人で●●できるようになったおねぇ」とぱちぱち拍手して褒めまくるけれど、母親や父親を褒めるというのは、あまりなされていないかも知れません。
んで、この話は、企業におけるOJTも同じだなんですよね。
新卒新入社員につくOJT担当者。
新卒新入社員が何か一つでもできるようになったら、「承認しましょう」「褒めましょう」「ささいなことでも口に出して褒めれば、自信がついて、もっとチャレンジするようになりますよ」というのはOJT担当者側が「したほうがいい」こととして教わる内容です。
一方で、頑張ってい「OJT担当者」の頑張りを認める、褒める、ことについては、あまり言及できていませんでした。
マネージャ、管理職、あるいは、OJT担当者のさらに先輩の皆様、ぜひぜひ「OJT担当者」の「後輩指導の仕方」を褒めてあげてほしいなぁ、と思います。
「頑張ってるね!」「指導が上手だね」「後輩がずいぶん育ってきたねー」「あなたのおかげで、成長スピードが速いよ」など、何でもいいから、フィードバックしてあげてほしい。
子育て本でいうところの、「父母を褒める」のと同じことで、OJT担当者自身が「自己肯定感」を持つように。
周囲から認められたら、自信がついて、OJTが苦役ではなく、自分も楽しめるものになるはずです。
子どもも親も「自己肯定感」が大事!というのは、
新人もOJT担当者も「自己肯定感」が大事、と置き換えられますね。
子育て本を読むと、「子育て」と「OJT」と共通点が多いなぁと、といつも思います。
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「子供にも自己肯定感を」とずーっと書いてありますよ。もちろん。
「自分が大切にされて、自己肯定感が育っているからこそ、他人にも優しくできるんだ」ってなことが書いてあり、そうだなぁ、と深く納得。