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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

AEDの使い方講習を受けました。やはり、訓練は必要だなぁと実感。

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昨日(9/29土)は、マンションの定期総会があり、せっかく人が集まるから、と消防訓練もしました。 簡単に消火器の場所を確認するくらいかなぁーと思っていたら、なんと、なんと、定時にどーーーーーーーーんと真っ赤な消防自動車がマンション前に横付けするではあーりませんか。しかも、しかも、しかも、4人の消防士がやってきて。

うわっ。本格的。

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総会後一旦家に引っ込んだ方も、「どれそれ?」と部屋から出てきて、過半数の人が参加するという奇跡の事態に。子どももたくさん来てました。スゴイわ、消防自動車と本物消防士の威力。

AEDの使い方と消火器の使い方。2班に分かれて実地訓練です。 AEDについては、街で見かけるものの、素人でもすぐ使えるとは言われているものの、どう何だろう?と思ってましたが、やはり、習うって大事です。知らなかったこと、たくさんありました。以下、習ったことを再現(多少、説明ははしょります)

1.倒れている人発見。近寄って耳元で声をかける。「大丈夫ですかー」。
2.反応がない場合、近くにいる人に助けを求める。(「急病人です」「119番お願いします」と「AED持ってきてー」)
3.呼吸の確認。お腹と胸の上下を見る。10秒
4.呼吸もないと確認、すぐに、心臓マッサージ(以下、心マ)。5㎝沈むくらいに両手で、上から押す。30回。100回/分ペース(←平常時心拍数より多いですね)
5.呼吸を見る。まだない、新マ。(この間で本当は「人工呼吸」もするのだけれど)
6.そうこうするうちにAED到着。AEDのパックを開けている間に、一人は心マ継続(とにかく、ぼーっと何もしない時間を作らない。刺激し続ける)
7.あとはAED機械の音声指示に従って、電気ショックのためのパットを胸の2か所に貼る
8.「離れてください」(←身体に触らないこと)AEDボタンを押す、電気ショック。
9.電気ショックが終わったら、また心マ。
10.その内、救急隊が到着・・・

簡略化すると、こんな感じです。(いくつか省略しましたので、きちんと学ぶためには、専用のサイトや実際の講習会へ)

まずは、消防士が全部の流れをまずは実演。続いて、一人ずつ、ロールプレイを。

消防士さんは、「皆さん、今日は、どんどん失敗してください。失敗したら、よく失敗した!と褒めてあげる感じでお願いします。今たくさん失敗して、本番に遭遇したらきちんとできるように。」と最初に動機づけ。

端に立っていた私が最初にやってみることに。

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倒れている人に駆けより、「大丈夫ですかー」。呼吸確認して、・・・救援頼み、心臓マッサージ。うわー、5cm沈むほどの力って、スゴイわ。全身でのしかかる感じ。

・・で、AEDつけて、全部終わって、交代。

オモシロかったのは、大の大人ばかりなのに、誰もがどこかのステップを間違えるのです。ちゃんと聞いていたはずなのに。あるステップを抜かしたり、順番を間違えたり。初めて聴いた内容を理解しているつもりの事柄を、身体をつかって実演しようとすると、頭の中で一部が抜け落ちたり、勘違いで順番間違えたりするんですね。

これって、新人の育成でも同じこと、起こるよなぁ、と思ってしまいました。

新人は、先輩の教えを真剣にひとことも聞き漏らさないように聴いている。で、「俺がやって見せるからまず見てろ」と言われ、見てもいる。「じゃあ、やってごらん」と言われ、正しく再現できているようでいて、順番間違えたり、何かをスキップしたりする。

それを見て先輩は、「教えたでしょ」「いま言ったばかりじゃない」「ちゃんと聞いて(見て)いたの?」とつい言ってしまうけれど、本人は聞いているし、見ているんですよね。

AEDのたった10ステップくらいが、再現できない私たち。初学者というのは、そういうものだと認識を新たにしました。(新人の飲みこみの悪さ、間違えの多さに嘆いている方は、AED講習に参加してみることをおススメします。「あ、自分でも1回では覚えられないわ」と自覚すること請け合いです。AEDも学べて、一石二鳥!w)

それにしても、習うより慣れろ。

本や説明書でさんざん「AED」について読むよりも、体験するに如くはなし、ですね。「訓練」の大切さ、を体感しました。

「教え過ぎはダメ」「考えさせろ」「自分で学ばせる」と学習者の自主性を重んじる傾向が最近の教育場面では多いのだけれど、知らないことは、やはり、「コーチング」ではなく、「ティーチング」。教えることも大事。知識は教える。教わった知識があるからそれを元に応用できるようになるわけで、考えさせるのは、応用編なんですよね。

ところで。

消防自動車見たさにたくさん集まった子供たち。消防車の脇のちょっとした台に乗せてもらって、順番に写真撮らせてもらっていました。 これも市民サービスなんでしょうね。

2歳くらいの子が、「しょーぼーーしゃー、ばいばーーーーーーい」と見えなくなるまで手を振っていました。

制服系のお仕事に従事している方って、やはり、カッコいいですよねー。ちびっこがずーっと真剣なまなざしで見学していたのは印象的。 ありがとうございました。

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