甚平、浴衣、ステテコ、着物。
週末、あるパーティに参加し、そこで、アメリカ人とお話をする機会がありました。アメリカの大学でJapaneseを先行し、今は日本で、日本企業に勤務しているという30代前半の彼は、日本語がかなり上手で、日本人の奥様と2歳のかわいい男の子を連れてそのパーティに参加していました。
2歳の男の子は、日本語と英語と両方で育てているんだけど、母親と過ごす時間のほうが長いので、どうしても日本語の方が中心になっちゃう、なんて話をしていました。
私が「2歳から5歳直前までアメリカに住んでいた」話をすると、「覚えていますか? 彼は覚えているでしょうか? 脳の奥では覚えていると思いますけれども」とおっしゃるので、「2歳の頃はさすがに覚えていませんけれど、3歳くらいからはなんとなく、ほんとになんとなく覚えていますよ」と言うと、「おおぉ、それはよかった」と笑顔でほっとなさったご様子。
で、話は、男の子のお召し物に移りました。
甚平さんを着ていたのです。2歳の甚平姿は、まあかわいらしい。(パーティは大人ばかりなので、この子は退屈になってきて、その甚平姿で、大きなパーティ会場を何周も何周もきゃっきゃと言いながら走り回っていました。ちなみに立食です。会長さんの挨拶があろうが、副会長さんのスピーチがあろうが、関係なく走り回っていました。かわいい! 大人も心得たもので、全く意に介さず。)
「これは、ジ、ジンベイ? ステテコ?」
「甚平ですね」
「Oh, ジンベイ・・・。for men?」
「Yes, ああ、でも、女性用もありますねぇ、最近は」
「How about ステテコ? for men?」
「Yes, そして、It's underwear」
「Underwear? シリマセンデシタ」 (だんだんと双方でちゃんぽんになってきている)
「Not for outdoor.」
「ああ、ユーカーターワー? ドウデスカ? for men?」
「浴衣、Yukata, for both.」
「難しい」
「キモーノー? for men?」
「also for both.」
「Oh,混乱シテキマシタ。It's so difficult!」
・・・・あ、面白いなあ、この会話。
浴衣は、確かに下着ではないけれど、本来風呂上りに着るものだから、たとえば、パーティに出るというのはちと違う。
着物は格があるので、パーティの格に合わせて、着る種類が違う。
甚平は、子供ならかわいくてOKだけど、やはり、パーティには着ない。浴衣に準ずるくらいの位置づけでしょう。しかも、最近は女性用もあるし。
ステテコは完全に下着だけど、そうはいっても、カラフルなもの、そして、女性用も登場。となると、underwearでもあるけれど、家着としてもOKなのかな?
グローバル化とかインターナショナルがどうしたこうした、といろいろ喧しいけれども、こういう自国の文化とか風習とか習慣とか暗黙の了解などを上手に説明できることも大切ですね。
次の機会に備えて、ちゃんと整理しておこう。