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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「はじめの一歩」を踏み出す勇気

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昨年、中学時代からの友人O君から、ちょっとした相談を受けました。「こういう仕事、できないかな?」と。人材育成に関係することではあったのですが、いくつかの条件から勤務先で引き受けるのは難しいと判断し(上司と相談の上)、辞退しました。が、同時に「誰か知り合いでできる人いないかな?」と訊かれたので、ある女性の顔が頭に浮かびました。

フリーランスで働いている彼女にはぴったりの案件で、しかも、かなりチャレンジのしがいがあると思ったからです。

「こういう人がいるんだけれど、間をつなごうか?」とO君に話してみると、「おお、ありがとう。ただし、審査もあるので、必ずしもお願いできるとは限らないけど、まずは話してみる」ということに。

すぐフリーランスの彼女にも連絡を取りました。

「私なんかでいいんでしょうか?」と最初、ほんの少しの躊躇を見せたものの、「先方も審査があると言っているし、自分が”No”と思えば、断っても構わないし、この件で結果がどうなっても私の顔をつぶすかもなどとと考える必要はないので、どどーんと挑戦してみては?まずは、話聞くだけでも」と背中を押すと、「じゃ、やってみますっ!」と。

O君にも彼女にも、「今後の細かいやり取りについて私に一切知らせなくていいからね。よければ、結果だけ知らせてね」とお願いし、もうすっかりそのことは忘れていました。

数か月後。「紹介していただいた仕事を引き受けることになり、●月からスタートすることになりました!」と連絡があり、おお、よかった、よかった、と安堵しました。

あれから1年くらい経ったのかな。先週、彼女と久々にランチしました。

「その後、仕事が発展して、あれこれ新たに紹介していただいたり、担当の分野も範囲が広がったりしてます。」と嬉しいお知らせ。

私は、「あの時、最初に”やってみます”と答えたあなたはとても偉いっ!」と褒めちぎりました。

「えー?私なんかでいいのか、と悩みましたよ」と言うので、「そりゃ、悩むだろうけれど、それで”無理です””できません”と言わず、”やってみます”と決断したのは、やはり偉いっ。私はうれしい!」と絶賛しました。

「この仕事、やってみない?」と紹介する時、こちらにはそれなりに判断があります。「絶対に無理だろう」「どちらにとっても不幸になるだろう」あるいは、「片方はラッキーだけど、もう一方に迷惑かけるかも」と思ったら、絶対に紹介しない。

だから、「やってみませんか?」と声をかけた時点で、大丈夫と見込んでいるわけですね。

そこを「でもぉ、だってぇ」といつまでも躊躇して、やらない、という決断を下す人もいます。腰が引けちゃうタイプです。ああ、もったいないな、と思うのです。

彼女は、最初だけ躊躇したものの、すぐに「やってみます!」と決断しました。その「はじめの一歩」を踏み出したからこそ、次々と新しい仕事に発展しているのです。聴けば、最初は様々に苦労したそうです。勝手の違うこともあって、四苦八苦したということでした。それでも、徐々に「コツ」がつかめて、自分のペースでできるようになったし、その仕事に、やりがいを感じるようにもなったと。

「はじめの一歩」を踏み出す勇気。

簡単に思えるかもしれませんが、案外、その一歩が踏み出せない人がいるように思います。どんなことでも、「はじめの一歩」からしか進めないのに。

「はじめの一歩」。

私も時々、何かに躊躇してしまうことがあるけれど、彼女に大事なことを思い出させてもらいました。

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