「電力シェアリングの世界がやってくる!!」
今回は近未来の世界の話をします。
我々の文明でもっとも大事な必要不可欠インフラの一つが「電気」です。
その「電気」の提供の仕組みが、今変わろうとしているのをご存知ですか?
まず一つ目の変化が、2016年4月より法律が施行された電力小売の自由化です。
これによって、今まで地域割りだった6つの電力会社だけでなく、新電力会社から個人、法人は電気を買うことができるようになりました。2016年4月の電力自由化以降にサービスを開始した新電力会社は実に550社まで増えました。各会社がそれぞれの付帯サービスや低価格を打ち出して、現在、過当競争の状況にあります。
また最近の日経のニュースでは、各家庭で生産している太陽光電力の買取も、2019年の11月より、地域電力会社が高い価格で買い取る固定価格制度がなくなり、自由価格で他の新電力会社にも売れるようになります。
それとともに家庭や企業で自前の太陽光発電等で生産した電気を自分で使うために蓄えておく蓄電池が増えてくると予想されます。
また政府の方針で2024年までに全ての家庭に電気をデジタルで管理できる「スマートメーター」が導入される予定です。これにより各所での電力の使用状況がデジタルに全て可視化されます。
そして2025年から2030年頃になると、いよいよ各家庭や企業の太陽光発電も含めた色々な場所で生産され蓄電された電気の売買も全て自由化される「電力シェアリング」の時代が始まると予測されています。
また並行して自動車がガソリン車から全面的にEV車に取って代わり、ここでも車の蓄電池に大量の電気が蓄えられ、この電気を逆に売ることもできるようになります。
そして「電力シェアリング」の時代では、互いに電力を売ったり、買ったりを瞬時に行う新たな社会システム「電力のp to p取引市場」が生まれると想定されています。
「電力シェアリング」を実現するための新技術は、電力の流れを供給、需要の両側から制御し最適化する「スマートグリッド」「デジタルグリッド」、そして多数の小規模発電を一つの大きな発電所のようにまとめて制御を行う「バーチャルパワープラント」などがあります。
そして、それらを実現する要素技術としては仮想通貨やフィンテックで脚光を浴びた「ブロックチェーン」(分散型台帳管理)技術が最適とされています。
実際に2016年にニューヨークのマンハッタンで隣人同士でブロックチェーン技術を使って電力をシェアリングするシステム「マンハッタングリッド」が実証されました。
またこうした「電力シェアリング」の近未来のために、2018年より、電力会社、新電力会社、商社、メーカーなどが既に欧米で先行している技術を使って実験をしています。
以下「ソーラージャーナル」という業界の情報サイトからの「電力シェアリング」時代に向けた最近の動きを抜き出しました
・東京電力-P2Pプラットフォーム事業を独イノジー社と共同で開始。英Electron社にも出資
・関西電力-太陽光発電で生じた余剰電力を直接取引する実証研究を、豪パワーレッジャー社と共同で開始
・中部電力-AIやIoTなどの先進技術と顧客の暮らしをつなぐ新ブランド「カテエネコネクト」を立ち上げる
・みんな電力-ブロックチェーン技術を活用したP2P電力取引プラットフォームの開発をAerial Lab Industriesと共同で開始
・デジタルグリッド-デジタルグリッド技術を用いた自家消費される再エネCO2削減価値の事業者向け取引・決済システム検討事業
・電力シェアリング-自家消費される再エネCO2削減価値の地方部等におけるCtoC取引サプライチェーン検討事業
・エナリス-デマンドレスポンスにブロックチェーンが有効かどうか、福島県の一般家庭で会津ラボ、会津大学と共同検証
このように各家庭の太陽光パネルで生産した電気を隣人に売買したり、EVで生産した電力を売ることにより駐車場支払いが済んでしまうなどの未来がすぐそこにあるのです。
例えば個人が手軽に電力を生産することができれば、その電力を売ることによってスーパーで買い物ができたり、家賃が払えたりする世界もあるかもしれませんよ。
この「電力シェアリング」の未来像は目が離せませんね。
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