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システム化計画プロジェクトのポイント!!(その7)       〜つまらないIT仕事をワクワクさせる

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「システム化計画」プロジェクトについて話の第7回目です。

前回に引き続き、「新業務/システムの概要設計」の進め方を続けます。

前回まで主に機能要件の概要設計部分が終わりました。次に非機能要件およびインフラ要件の概要設計に移ります。

「非機能要件の定義」と「インフラ要件の定義」 

非機能要件の洗い出しをプロジェクトメンバーによるファシリテーションミーティングを使って行ってみましょう!

 

非機能要件とは大きく以下の内容が普遍的なものです。

 

  • 可用性
  • 性能、拡張性
  • 運用、保守性
  • 移行性
  • セキュリティ
  • システム設置環境

 

 まず可用性は最近BCP(Business continuity planning)という言葉が一般化していますが、障害、災害が起きた場合にもシステムを稼働し続ける要件ということです。作るシステムの位置づけによってその要件は大きく変わってきます。例えば基幹的なシステムであれば、基本止めてはいけない要件となり、バックアップセンターなどの要件が厳しくなりますし、情報系のシステムであれば、多少止めても大丈夫というものもあるかもしれません。

 

 次に性能、拡張性です。ここでは、データボリュームやピーク時のトランザクションなどを考慮してシステムが性能を出せるか、また時系列的に将来のデータボリュームに対応できることなどの要件となります。

 

 続いて運用・保守性。こちらは運用要件とも呼ばれますが、上記可用性などとも勘案して、どのレベルの運用を行うか、具体的には運用監視、バックアップのレベルや運用体制のレベルの要件となります。

 

 次の移行性は非機能要件ではなく、移行要件として切り出される事も多いですが非常に重要な要件です。現行のデータをどのレベルで移行するかの要件です。よくある要件としては過去データをどこまで新システムに移行していくかが議論となります。また業務を新業務/システムに移行する方法についても要件出しをします。

 

 続いてセキュリティ要件です。最近ですとこの要件が非常に重要視されています。特に企業、組織の重要データを扱うようなシステムの場合、アクセスセキュリティや不正アクセス、ウィルス対応など必要な要件は沢山あります。

 

 最後にシステム設置環境です。既存のデータセンターに新システムの環境があるのか、どの程度必要であるのか、必要な電源設備や耐震免震設備などの要件を詰める必要があります。

 

 以上はアプリケーション、データというユーザーの目に見える要件ではないことで非機能要件と言われますが、システムを実現し、運用する上では非常に重要な要件ですので、関連するキーパーソンを集めてファシリテーションミーティングを行い、要件情報の共有とコンセンサスをきちんと取る必要があります。

 

またこうした非機能要件がある程度出来たら、それをもとにインフラ要件を作成していきます。特に可用性、性能、拡張性などはサーバーやストレージ、ネットワークなどのインフラ要件を決めるための重要な要素となります。インフラ要件とはどのクラスのサーバーやストレージネットワークが必要かという要件となりますので、ベンダーなどに協力して行う事が必要となります。

 

こうした非機能要件の検討の中でも、決めきれない課題がたくさん出て来ます。こうした非機能要件の課題、そして前段の業務システム要件の課題を整理するのが最後の「システム化に係る課題の整理」です。

 (次回につづく)

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