システム化計画プロジェクトのポイント!!(その6) 〜つまらないIT仕事をワクワクさせる
大分、間が空いてしまいました。
今回は「システム化計画」プロジェクトについて話の第6回目です。
前回に引き続き、以下のようなステップでの2番目「新業務/システムの概要設計」の進め方を続けます。
システム化の目的の定義
新業務/システムの概要設計
新システム構築計画の策定
「新業務/システムの概要設計」には以下の検討を行います。
- 現行業務分析
- 新業務/システムの定義
- 新システム機能概要の定義
- 新システムハイレベルデータモデルの定義
- 新システムI/O一覧の定義
- 新システムインターフェース定義
- 新システムアーキテクチャの定義
- 新システム非機能要件の定義
- 新システムインフラ要件の定義
- システム化に係る課題の整理
今回は「新システム機能概要の定義」からになります。
3.新システム機能概要の定義〜他のタスク
前回作成した「新業務/システムの定義」における新業務フローの中でシステムはブラックボックスあるいはただの箱として描かれていたと思います。ここではその箱の中身を描いて行くのです。
システムというのは言うなれば処理をする機械です。またそれは自律的に動くものではなく(将来的には自立的なものもできてくるかもしれませんが)、必ず処理を行うトリガーとなるインプットが必要となります。また処理を行った結果を出力する必要があります。さらにはその過程で、必要なデータを参照にいったり、更新したりします。また他のシステムとの連携も必要に応じてなされます。こうしたことを各システムのボックス毎に定義していくのです。つまり以下の5つの事を定義していきます。
- インプット
- 処理内容
- データ参照、更新
- 他システムインターフェース
- アウトプット
新業/システムフローででてきた各システム毎にこうした概要設計をしていくのですが、合わせて以下のタスクも同時に行う、または一旦、各システムの概要設計をしたのち、全体の絵を描き、整合性をチェックして、再度各システムの概要設計を見直す、という方法も有効です。いずれにしても同時期に以下のタスクも同時に行うと良いと思います。
- 新システムアーキテクチャ定義
- 新システムハイレベルデータモデルの定義
- 新システムI/Oの定義
- 新システムインターフェース定義
上記の中で特に「新システムアーキテクチャ定義」と「新システムハイレベルデータモデルの定義」はファシリテーションミーティングで検討して作成してもよいでしょう。
「新業務/システムの定義」「新システム機能概要の定義」が出来た段階で、プロジェクト関連メンバーを集めてファシリテーションミーティングを開催します。
そして、ホワイトボードなどに、「新システム機能概要の定義」ででてくるアプリケーションシステムを皆でプロットしていくのです。すると、今回作るアプリケーションの全体図が現れてきます。またファシリテーションミーティングで行う事により、その情報が瞬時に皆に共有され、必要な部分が補正されます。
ワクワクする瞬間です。
また同様に、ホワイトボードにハイレベルデータモデルも描いていきましょう。
従来はこうした作業は、個人個人でのワーク、特にある特定の人が作った成果物でしたが、ファシリテーションの方法を使えば、皆でそのアイデアを考えるのです。そのほうがプロジェクトとして活気がでてきます。
ただ、こうして皆でディスカッションをしていくと、たくさん課題と呼ばれる不安点もでてきます。そうした検討事項については必ずホワイトボードの隅に記録しておきましょう。それが「システム化に係る課題の整理」の材料となります。
(次に回に続きます。)