システム化計画プロジェクトのポイント!!(その5) 〜つまらないIT仕事をワクワクさせる
今回のシリーズはITシステムの仕事の進め方の話です。最上流の「システム化計画」プロジェクトについて話しています。「1.システム化の目的の定義」だけで4回かかってしまいました。後何回続くかわかりませんがお付き合いお願いします。
1.システム化の目的の定義
2.新業務/システムの概要設計
3.新システム構築計画の策定
この5回目からはいよいよ「2.新業務/システムの概要設計」のステップに入ります。
前回のステップで、システム化の要望、要件がユーザー主導にて既に整理されています。この材料を以下のようなステップでさばいていきます。
- 現行業務分析
- 新業務/システムの定義
- システム化に係る課題の整理
- 新システム機能概要の定義
- 新システムハイレベルデータモデルの定義
- 新システムI/O一覧の定義
- 新システム非機能要件の定義
- 新システムインフラ要件の定義
- 新システムアーキテクチャの定義
1.現行業務分析
まずは、現行業務フローをきちんと描いていきましょう。現行の各部署、担当が、時系列的にマニュアル業務や現行のシステムを使いながらどのように業務が流れていくかを図示します。
現行業務フローの作成方法は、コンサルタントがユーザーにヒアリングしながら作成して確認して行く方法と、ユーザー自身が作成する方法があります。前者はテンプレートや作成レベルが標準化されるメリットはありますが、内容についてはユーザーとのコミュニケーションの時間が必要となります。後者は書くレベルがまちまちになってしまいがちですが、中身については自分の業務であるため正確だと思います。ユーザーのレベルや参画度合いでどちらの方法が良いか決めていけばよいと思います。
この現行業務フローを作成するポイントとしては、前回洗い出された現行の業務やシステムの課題、例えばリードタイムがかかる、処理が煩雑である、負荷がかかる、削減できる、属人的であるなどをこのフローにプロットしておくことです。これによってどの業務プロセスを改善すればよいのかが明確となります。
2.新業務/システムの定義
さて、いよいよクリエイティブなステップにはいります!「新業務/システムの定義」です。
前のステップで作成した現行業務フローをもとにしながら、システム化要望を見ながら、改善後の「新業務フロー」を作成していきましょう。その対象となる業務分類の中のシステム化要望を眺めていきながら、どの業務をシステムによってどのように改善していけばよいか、その際、現行業務の問題、課題がクリアされていくはずです。慣れてくればあたかも魔法をかけるように、現行の業務フローが、全く新しい新業務フローに置き換わるはずです!
作成後に自分が作成した新業務フローを眺めてみましょう。そしてその新業務が流れているイメージを頭の中に描くのです。どうですか、本当に実現したような気になりワクワクしませんか?
新業務フローは、ユーザーと共同で作成しても良いし、コンサルタントが作成したものをユーザーに説明して、同じようにイメージを抱いてもらいチューニングしてもらってもよいと思います。
ここではまだシステムは新しい一つの箱として描かれます。新業務ではシステムという箱に対して、どのような機能を要求するかを書いていきます。
今回はここまでです。乞うご期待(次回につづく)