問題の本質に対する解決策をシステマティックに考えよう!! つまらない仕事をワクワクさせる〜問題解決その4
今回はいよいよ、問題解決シリーズ後半の「本質に対する解決策を考える」
について説明したいと思います。
1.問題に気づく
2.問題の本質を見極める
3.本質に対する解決策を考える
4.解決策を実行できる形にする
問題が発見され、その本質的な原因もある程度わかった後に、この問題をどうフィックスしていくかを考える段階となりました。ここでのステップとしては3つあります。
1.各問題に対する解決のアイデア出し
2.解決アイデアのグルーピング
3.解決策の優先度付け
まず解決策をすぐに考える前に、解決のアイデア、または解決の方向性のようなその一歩手前のアイデアを洗い出して行きます。
個別の問題に対して、どのように解決すれば良いのかのアイデアを出していくと、色々なアイデアがでてくるはずです。例えば企業の業務上のリードタイムの問題であれば、以下のような時間短縮のための業務改善のアイデアがいくつかでてきます。
業務プロセスの簡素化、削減
業務プロセスの並行化(パラレル化)
業務プロセスの統合
上記のためのルールや規定の変更
作業者のスキルアップ教育
作業者の交代
作業者の増員
自動化
こうした解決アイデア出しは、一人で作業するよりも、チームの中で複数メンバーで行った方が良いでしょう。それは個人によって着目する視点が違うことと、それぞれのバックグラウンドが違うからです。チームで解決のアイデアを出す際には、どんな小さな解決アイデアでも書き出していきましょう。
アイデアを出すという行為は、とても脳を使ってワクワクするものです。思う存分、インスピレーションや思いつきを発表しましょう。
またそうしたブレーンストーミングにおいては以下のようなルールをきちんと定めておく事により、ワクワク度が違ってきます。
どんな意見でも書き出す。
決して他人の意見を批判しない
意見をだしてもそれをその人が実行してくもよい
他人の意見に触発されたアイデアは大事である。
だらだらやらずに時間を決めて行う
発言が上手く出来ないメンバーがいる際はポストイットに書いていく
ファシリテーターを用意する
ある程度アイデアが洗い出されたら、次にグルーピングのステップに移ります。
アイデアのグルーピングで代表的な方法はKJ法です。よくファシリテーションで使うKJ法ではポストイットに書いた解決のアイデアの中で似たものを紙でグルーピングしていきます。KJ法では、グルーピングした後にそのグループの特徴が現れてきますが、ビジネス上の内部の課題で、一般的な分類としては以下のような分類の仕方もあります。
業務プロセスの改善
規定、ルールの改訂
組織、人の改善
ITシステムの導入
また営業上の解決アイデアのよくある分類としては以下のようなものもあります。
営業員の採用、育成
営業KPI,インセンティブ、評価などのマネジメントルール設定
営業プロセス、事務プロセスの改善
営業支援システムの導入
これが経営上の課題であれば以下のような分類でしょうか。
経営情報の可視化による意思決定の迅速化
M&Aによるシェア拡大
利益率向上のためのコスト削減
グローバル展開のための業務、組織の拡大
コンプライアンスの向上
以上のようにその問題のレベル感によりグルーピングの内容は変わってきますが、グルーピングすることにより、解決の方向性の全体感が見えてきた瞬間、結構ワクワクします。これは問題発見の際の「アハ体験」に近い脳の喜びがあります。
またグルーピングをすると、逆に全体で見たときの足りない視点が見えてくるという効果もあります。
続いて最後のステップは解決策の優先度付けです。優先度付けの方法はいくつか有りますが、代表的な方法としてフォースディメンジョン(4象限)分類があります。以下のような4つの象限を作って、洗い出した解決のアイデアをグルーピングした解決策をプロットしていくのです。例えば有名なフォースディメンジョンとしてはボストンコンサルティンググループの事業分類のマトリクスがあります。
上記にとらわれずに、フォースディメンジョン(4象限)分類の軸としては、何を使っても良いのですが、ビジネス上の解決策であれば、施策実施の効果と施策の実現容易度を挙げる事が多いです。つまり左上から1、左下が2、右上が3、右下が4とした場合、右上の象限が施策の効果が最大で、実現容易度も高いものとして優先度が高いというわけです。
このフォースディメンジョン(4象限)で解決策のポジショニングを視覚的に現す行為は、最も脳が理解するのによいスタイルとされています。是非皆さんも悩んだ時には、このフォースディメンジョンを使ってみてください!
またもう少しシステマティックに優先度付けをするのであれば、点数法が良く使われます。こちらもあらかじめ優先度付けのための評価基準を複数設定して、個々の解決策の基準点数を付けて行きます。そして総合点数が高い解決策が優先度が高いという訳です。
こうした作業もチームでメンバーがそれぞれ評価したものや評価点数をつけたものを総合してみると、個人の主観的なばらつきはなくなります。また何より、チームでそうした会議をすることは非常に楽しいワクワクする仕事です。是非チームワークでファシリテーションをしながら行う事をおすすめします。
解決策を立案する、という段階は問題解決の4つの中で最もクリエイティブなものです。ここでは、皆さんの経験や情報などを参考に脳を最大限に働かせるステージなのです。
このように仕事っていうのは、脳をはたかせるワクワクした瞬間でありたいですね!!