スーパーでのレジ打ち仕事のワクワクした話
この間、車を運転していたら、こんな話がFMラジオから流れてきました。
ある女性がいました。彼女は若いときから何をやっても長続きしない。そのまま就職しても働いている仕事が好きになれずにすぐ辞めてしまう、そんなことの繰り返しでした。いつしか彼女の履歴書は短期の職歴でいっぱいになり、誰も彼女を採用してくれるところはなくなってしまいました。彼女は派遣会社に登録して仕事をするも、派遣業務も同じようにすぐ長続きしない日々が続いていました。そんなとき、スーパーのレジ打ちの仕事をやることになりました。いつものように、そのうち単調な仕事に飽きて来て、辞めようと思っていた時、子供の頃の夢を思い出して、もう少し続けてみよう、どうせならレジ打ちの達人になってみようと思い立ち、そしてレジを見ないで打てるようになりました。
すると今度はお客様の様子や買っている商品の内容を考えるゆとりが生まれました。そして自然にお客様と会話することもできるようになりました。
「あれ、今日は鯛を買われるんですか?何かおめでたいことでもあったのですか?」
「そうなのよ。孫が水泳大会で優勝してね。」
いつしかそのようなたわいのない会話をお客様とできるようになっていました。
そして、ある忙しい日のことでした。ふとスーパーの店内放送が何度も同じお知らせをすることに気がつきました。
「どうかすいているレジにお並びください。」
そしてその原因がわかりました。なんと彼女のレジカウンターだけ長蛇の列が並んでいたのです。店員が他のレジに並ぶようにお客様に言うと、
「いやよ。今日もあの人とお話するためにここにきたのよ。」
と皆が口を揃えて言ったのです。
それを聞いた瞬間、彼女はわっと泣き崩れてしまいました。
その後、彼女はスーパーで長く仕事をして新人の教育までやるようになりました。
以上、私が記憶をもとに話のあらすじを書きました。
これは私自身も不意をつかれました。家族と車で運転していたのに、うっと感動して運転しながら号泣しそうになりました笑
さて、ワクワク分析からいくと、この話は限りなく100(いやそれ以上)なのですが、何がそんなにワクワクだったのかを考えてみたいと思います。
まずこのスーパーに来るお客様は彼女と話をしたい、それが楽しみで来ていた訳です。したがってお客様自身がワクワクしながらスーパーに来て買い物をしていたわけです。お客様にとってワクワクする何かがあれば毎日でも買い物に来るということです。ワクワクした気持ちは何も私たち仕事をする側だけでなく、お客様に対してもすごく大事なんですね。
そしてそれを知った彼女は感動して泣き崩れてしまいました。彼女自身もレジ打ちをしながら、お客様と話をすることが毎日とてもワクワクすることだったのではないでしょうか。そしてそれがお客様と共感していたと感じた時に感極まってしまった。
ここで重要なことは人間と人間の関係が上手くいっている時、この場合はレジ打ち職員とお客様ですが、人は最高に仕事が楽しい、ワクワクするということなのです。それは別の場合には、上司と部下、同僚、チームメンバーでも同じと思います。
彼女はそれに気づいたのです。全ての仕事は決して無機質な物でなく、人間と人間の良い関係性があればとてもワクワクしたものになるのです。一見、人間性と関係のないと思われる工場でオペレーションをしている人や道路清掃をしている人でさえも、その仕事の環境における人と人との関係は必ずあるはずです。我々はそれを大事にすることでワクワクした仕事になるのかもしれません。
また、ビジネスの視点からは、お客様に感動やワクワク感を与えることが非常に大事です。そしてお客様がワクワクしていることに気づいた私たちもワクワクするの。顧客満足度もあがり売上もあがる。これがサクセススパイラルの王道なのかもしれませんね。