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元・外資系ハードウェアメーカー・マーコム担当の、人生のお休み徒然日記。

今更ながら・・・番長さん、遊んでください 【あの人にオススメしたい、この1冊】

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あああああ、番長さま、申し訳ありません・・・。
私、Blogの下書きまでしていたにもかかわらず、某ITイベントに掛かりっきり&疲労でダウンしているうちに〆切が過ぎてしまいました。

でもでも。
せっかく途中まで書いていて悔しいので、〆切守れないからキミはブロガー失格!と言われてもエントリしたいと思います。

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私は幼少期から活字好きで、小学校高学年の一時期に"六法全書"を愛読していた時期がありました(変な子供・・・)。
その当時の憧れの職業は、「弁護士」。
颯爽とスーツを着て、弁護士バッジを着けて、法廷に立っている女性弁護士って、なんかカッコいい~!という、単純なミーハー根性です。

あるとき父に、六法全書を読んでいるところを見つかり(全書は父が仕事絡みで必要だったため、所有していたもの)、
「弁護士になるにはどうしたらいいの?」と訊いたところ、
「二女高に入って、それから東北大の法学部に行って、司法試験を受けて、司法修習っていう研修を受けるんだよ」
と教わり、『ふーん、頑張れば出来るかも』と思い込んだりしていました。

父としては、『しめしめ、これで自主的に勉強してくれるかも』と思ったのかもしれません。
そんな親の目論見も知らず、しばらくの間せっせと六法全書を読んでいたのですが、ある凶悪事件の加害者に国選弁護人がつくというニュースを目にした際に、子供の単純な発想で『悪い人なのに弁護しなければならないって、理不尽!』と思ってしまったことがきっかけで、あっさりと『弁護士、やーめた』と方向転換・・・。
今考えれば、裁判官や検察官にもなれるというのに、他の法曹職業について思いつくこともなく、ややくたびれた六法全書も、元の父の本棚に戻ったのでした。

※二女高 :宮城県第二女子高等学校。 実際に私の母校となった高校であります。
   東北大法学部 : 「地元で1番=東北大」。 両親は「東京の大学」という選択肢を私に与えたくなかった模様・・・。

もし、あの時に他の可能性を模索して、そのまま勉強を続けていたら、ここでBlogを書いていることも無かったのかもしれません。
マスメディアの脅威、集団心理の恐ろしい一面、そして監視社会について、マーコム担当という視点からこの本を読むことも無かったのかもしれません。
そして、"彼"の後輩になれていたのかも・・・。

さて、そんな私が、マス・マーケティングの脅威やITによる監視社会に興味のある方、及び勧善懲悪が大好き!な正義感の強い方にオススメする1冊。
「ゴールデンスランバー」 伊坂幸太郎 著  【新潮社刊】

そもそも、デビュー当時から作風が気に入っており、刊行物は全て読んできたのですが、この本は純粋に小説としての完成度も高いと思いますので、エンターテイメント好きの方にもお勧めしたい小説です。
伊坂氏は東北大法学部卒、今現在は私の故郷である仙台にお住まいで、執筆活動をされているということもあって、舞台が仙台の作品では思わずニヤッとさせられることもしばしば。

作者が法学部卒であるのに、法律の枠に捉われておらず、他人が介在出来ない当事者の心の機微に重きを置くスタンスでありながら、モラリスト過ぎない登場人物達の洒落た台詞回しと軽妙な文体で重いテーマをさらりと鋭角に切り取る作風には、何とも言えない読後感・爽快感があります。

SEを経て作家になられたということもあり、SEが登場する作品もあり・・・難しいことを考えずに是非手に取っていただきたい作家さんの一人です。

来春には映画も公開されますが、その前に原作を是非、秋の夜長のお供にどうぞ!

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