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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

OA学会主催「地域再生の切り札−ecの可能性」にて

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この連休は、久しぶりに?サイボウズの小川として松山に出張してきた。


オフィス・オートメーション学会主催の「地域再生の切り札−ecの可能性」というシンポジウムで 『Web2.0的地域再生』というタイトルでの講演と、パネルディスカッションを行った。同時に、同学会の皆様のご厚意で

「Web2.0 BOOK」と「文系のための『Web2.0』入門」の即売会までしていただいたのは嬉しかったのだが、先生と呼んでいただくのは(相変わらず)むずがゆい。松山は夏目漱石の「坊ちゃん」(しかも小説が発表されてちょうど100周年だそうだ)の街だが、主人公が初めて中学に赴任して先生と呼ばれて閉口した、というくだりを思い出して、少し我ながら笑えた(^^;)。

 

ところで、17日にシンポジウムが行われ、その翌日に地元の愛媛新聞に記事を掲載していただいたのだが、Web2.0という表現は一切なかった。東京の新聞社であれば、内容はどうあれ、いまなら「Web2.0」を大見出しで強調しているところだ。講演が始まる前に、他の講師の方々や学会のメンバーの方々と打ち合わせをしたときには、Web2.0への期待感や、どうやってフィットしていくべきかについて、さまざまなアツい意見が飛び交っていただけに、これは非常に意外だった。


気になったので、帰りのフライトの前に松山市内の主立った書店を回ってみたが、Web2.0系の本は売ってはいるが(どの書店でも僕の本も置いてはいただいていたが)、Web2.0フェアのようなことをしているところは全く無い。というよりも、インターネット関連書を大きく取り扱っているような感じさえなかった。東京であれば紀伊国屋でも丸善でもブックファーストでも、ここぞとばかりにWeb2.0系書籍を集めて、ブームを仕掛けているというのに。


つまりは、ネットの熱気やWeb2.0的なムーブメントは、ブロガーなどの比較的リテラシーの高い人たちの間でこそブームになりつつあるし、首都圏ではそうした熱気が商業的にうまく利用されはじめているのであるが、地方にはまだ浸透していない、ということだろう。温度差がある、ということだ。正直、Web2.0と呼ばれるWebの変化・進化を認識することは重要ながら、言葉の定義をどうこう言うのはもう十分だろう、と思っていたのだが、もう少し腰を据えて、継続していくべきという気もしてきた。分かるひとだけ分かればいい、というのは、やはり傲慢なのだろう。誰にでもわかりやすい言葉で、もっと発信していかないとならない、と思い直している。その結果、我々自身の事業にも必ず良いフィードバックがあるはずだし。


その意味で、今回の出張は僕自身、本当に勉強になった。機会を与えてくださった学会の皆様、ありがとうございました。


++ 他にも、東京以外でこうした機会があれば、どんどん足を運びたいと思います。



2006年9月18日付 愛媛新聞

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