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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

mixi,incとWeb2.0

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mixiの運営企業であるイー・マーキュリーが株式会社ミクシィに社名変更したことは周知の通り。一昔前には出会い系と若干蔑まれるように呼ばれていたSNSを、社会的な現象として盛り上げ、かつビジネス化に成功した功績は大きい。

ところでそのミクシィの笠原さんがITmediaのインタビューに答えて興味深いことをおっしゃっている。

「mixiにWeb2.0的なサービスをどんどん入れていく、というのもどうかと思う」と考えている。新サービス開発の判断基準の第一はユーザーニーズ。「Web2.0的かどうか」は関係ないとし、ユーザーにとってメリットのあるサービスなら、“Web1.0的”であっても導入していきたいと語った。

さすが笠原さんという、ポリシーを感じる発言で好ましい。

とはいえ、全く同感なのだが、少しだけ別の考え方をここに示しておきたい。異論でも反論でもなく、脚注として読んでください。

僕は、ユーザーの声と、本当の意味の(Webの)全体最適は少々矛盾することもあり得ると思っている。例えば、セマンティックWebの試みなどは、一般ユーザーからするとコンセプトも分かりづらいだろうし、余計なことかもしれない。あるいは、エコを考えるに、ゴミを分別して処理することは面倒くさくて、消費する側の僕たちからすると、「全部一緒に捨てさせて」と思う。処理する側で、地球に優しい方法を考えてよ!という気分になるヒトも多いはずだ。
でも、社会全体で見ると、一人一人に小さな努力を強いることによって、環境の保全コストを大きく下げて、結果的には僕たちの為になる。

Web2.0の試みも同じではないかと信じている。Ajaxを使えばいいよとか、Mashupすればいいんだ、というのではなく、株式会社WEB2.0の佐藤さんが言うように、Webをきれいにしていく作業こそがWeb2.0に対する僕たちのアプローチだと思っている。だから、ユーザーの求めるものに真摯に応えていくという姿勢は重要ながら、ユーザーにもWebを整理して、より良く使っていけるためのお手伝いをお願いすることは大事なことだと考えている。Web2.0的サービスとは、Webを進化させるためのちょっとした労力をユーザーにお願いするかわりに、それを喜んで楽しんでいただけるようなツールを提供していくことで、ビジネス的にも成功を目指すモデルであると思う。

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