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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

彼のオートバイ、彼女のWeb2.0(Web2.0の非技術論的考察-1 )

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 世代が古いと言われないために
Web 2.0。最近ネット業界はこの言葉でモチキリである。

世代の違いを示す単位として、1.0とか2.0と言っているわけで、これに参加していないと、「Web 1.0時代のヒト(or 企業)だね」 と烙印を押されてしまいかねないほどだ。つまり、世代が古いよ、といわれてしまうわけで、IT業界に生きる身としては致命的である。

だからWeb 1.0とWeb 2.0 は、例えばテレビ放送におけるアナログ放送(2011年に終了!)→デジタル放送の切り替えのようなモノではなく、オジさんと若者、くらいの感じだろうか、ともかく世代を分けるキーワードになっている。世代を表現するときに、オジさんの趣味が麻雀と野球、としたなら若者のそれは、今ならダーツとサッカー(いや、フットサルか?)というような相違になると思う。
そんなわけでWeb 1.0的あるいはWeb 2.0的なモノを挙げてみて、それを比較するようなやり方で説明することが多い。例えばMSはWeb1.0時代の、GoogleはWeb2.0時代の代表企業、というように(ちなみに僕が言ったんじゃないのであしからず)。

■ Bike 2.0あるいはMusic 2.0  
さて。
個人的な話で恐縮だが、僕は自他ともに認めるバイク好きだ。カワサキのエリミネーターから始まって、ゼファー400、750、1100、ZZR-1100と乗り継いで、今はVespa PX200FLとハーレーダビッドソン スポーツスターXL1200R(写真)を所有している。(と言っても車も持ってないので自慢にならない)
Web2.0とハーレー?車にも同じことが言えるのであるが、バイクという世界は、たいていの場合買ったときと同じ形で乗っているヒトは割と少ない。カスタマイズあるいはチューニングというのであるが、ハンドルを変えたりマフラーを変えたりしているし、凝ったヒトならエンジンにまで手を入れて性能そのものを向上させたりしているのである。
パーツを自作するヒトもいるし、パーツを作る専門の会社、あるいはカスタマイズを含めて代行してくれるチューナーあるいはカスタムビルダーと呼ばれる会社も数多く存在する。

僕のスポーツスターもライトではあるが、フリスコスタイルと呼ばれるスタイルにしている。
バイクの世界は、メーカーがいて製品を作る。製品に使われているパーツは標準のサイズや規格が決まっているから、それに合わせたパーツが世界中で手に入るし自作できる。だから買ったヒトが好きなスタイルに変えていくことが(法律に触れない限りは)許されている。その結果そのパーツを提供したり作業を代行して稼ぐ企業も現れる。そんな中で流行したスタイルやモードを今度はメーカーが取り入れていくことによって、ユーザーの嗜好が製品に取り入れられていく。ハーレーが売れているのは、こんなカスタマイズの素材として最高であるからで、そのエコシステムの頂点にあるブランドとなったからである。
Webの世界で生まれつつある新しいエコシステムにおいては今はGoogleだったり(日本では)はてなだったりが、そうした存在に近い、と言えるだろう。
ちなみにフリスコスタイルとは、サンフランシスコスタイルという意味だ。音楽もバイクもネットビジネスも、サンフランシスコが熱い、というのは何かの符号だろう。

Web 2.0とは、このバイクの世界のエコシステムとよく似た世界だ。音楽業界ではHipHopの流行とセンスのいいDJ達のトライアルが、NapsterやBitTrront、iTMSなどのプラットフォームと接続されることによって、巨大レーベルとCDやMDなどの流通による”Music 1.0”から”Music 2.0”へと変貌しつつある。業界と、それを支える全てのヒトや要素が世代交代をしつつあるわけだが、ネット業界においても、GoogleやAmazonの公開するAPIを使って面白いアドオンツールや、新しいサービスを生み出す(つまりMashupする)プログラマーや企業が台頭しつつある。彼らの試みが良いビジネスモデルと結びつけば本格的なエコシステムができることになる。

興味深い。

Web 2.0 を技術面で語るヒトはとても多いので、僕はしばらくマーケティングだったりブランディングだったり、ともかく非技術的な視点でこれを考察していこうと思う。僕が提唱するFeedsphereという世界観もその中にあり、自分たちの立ち位置を明確にしていくことだとも思っている。

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[追記]
僕がスポーツスターを買ったのは、去年サンフランシスコのルート101を駆け抜けるハーレーを何回も見かけたからだ。抜けるような青空に軽やかに走り去っていく彼らの背を見て、帰国してすぐ買った。

[追記2]
僕が気になるのは技術より哲学だったり思想だったりビジネスモデルあるいはテクニックだったりする。NIGOはデザイン学校を出たわけではないが 斬新なTシャツを生み出している。僕もエンジニアではないが、少しでもヒトの役に立つサービスを、Webの世界に生み出していければいいと思っている。だからこそ、Mashupというキーワードが僕の心を捉えている。

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