ブランド、について
先頃、米ニューズウィーク誌が企業のブランド価値ランキングを発表した。首位は相変わらずコカコーラで、2位がマイクロソフトと続く。ソニーがサムスンに抜かれたことが日本国内では話題になった。
ブランドの語源をご存知の方は多いと思う。
牧場主が牛が逃げ出しても誰のものか分かるように、焼きごてで牛のお尻にロゴを焼きつけたことをブランディングといい、その行為そのものをブランドとよぶ。このことから、消費者の心の中に、心理的な焼きごてを充てることをブランド、ブランディングと呼ぶようになった。ブランドには製品ブランドと企業ブランドがあるが、後者はブランドは日本で言うところの「のれん」に近い。企業のブランド価値は、その「のれん」でどれだけ商売できるか、ということになる。企業価値は、発行株式数 x 一株あたりの時価総額、で決まるが、企業ブランド価値はそれとは別のところに指標がある。(逆に、ブランド価値が高い企業は、収益以上の期待値が株価に乗ってくる)
このブランドが有効であるかどうかを示す最もシンプルな方法は、
ブランド名 = カテゴリー、カテゴリー = ブランド名
の公式を使うことだ。
例えば企業ブランドであるならば、
ソニー = AVメーカーとしたときに、
AVメーカー= ソニー、が成り立つかどうかをはかればいい。
ニューズウィークの調査結果が正確であれば、AVメーカー = ( )の中に入る企業名が、ソニーよりサムスンと回答するヒトが多くなった、ということに他ならない。
例えば、サイボウズといえば?と聞けば、グループウェア、と答えてくれるヒトは多い。そして、グループウェアといえば?と問いかけると、サイボウズ、と回答するかノーツ、と回答するか、あるいはそれ以外の商品なり企業名を挙げるヒトの割合は明確には分からない。ただし、例えばWeb型グループウェアといえば?と、さらにセグメントを限定したときには、
Web型グループウェア = サイボウズ
と回答してくれる割合はグッと上がるはずだ。
つまり、ブランディングとは、カテゴリーとセグメントを絞り込むことから始まり、そこに関心を持つヒトの心の中に真っ先に浮かんでくる言葉を奪い取ることなのである。