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コアコンピタンスにフォーカスしよう。

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梅雨空が続いていますね。迂闊にもパーフォレイテッド(空気穴が開いた)な靴を履いてきてしまって、つま先が湿っぽいのが不快です。

今日は企業におけるコアコンピタンス、つまりその企業の強みを生かすということについて、少し書いてみようと思います。
いくつか例を挙げたいんですが、読者の皆さんはハーレーダビッドソンというオートバイのメーカーをご存知でしょうか。ハーレーは今やアメリカで唯一のオートバイメーカーになってしまいましたが、女性でも大抵の人は知っている、アメリカを代表する世界ブランドの一つです。
ところが、このハーレーのパーツは、かなりの部分が日本製なんです。和魂洋才、という言葉がありますが、真逆を行っているのがハーレーというバイクですね。ハーレーというバイクは、エンジンの形式(専門用語ではVツイン)と音というか鼓動にこだわりを持つバイクで、実際エンジンの形と音には商標登録もしているようです。だから、ぱっと見た瞬間にハーレーと分かるデザインと、エンジンそのものさえ自社の設計であれば、製造がどこであろうと、それはアメリカの魂であるハーレーそのものになるわけです。また、ハーレーは昔はヘルズエンジェルス(米国版暴走族?)に代表されるようなアウトローのイメージで売っていましたが、現在では弁護士や医者、起業家のような成功したビジネスマンに「不良少年の心を忘れないオトナ」のバイク、というアプローチをして成功しています。
つまり、ハーレーのコアコンピタンス(強み)は、ぱっとみて(聴いて)ハーレーと分かるデザインと分別の効いたワルっぽさというイメージなわけです。それ以外は、言ってみればどうでもいいわけです。
逆に言えば、このデザインとイメージを頑に守るからこそハーレーは生き残ってきたと言えます。

繊維メーカーのテイジンは、CMで「(繊維)だけでないテイジン」というメッセージを打ち出していますが、僕にはこれはフォーカスを自ら乱す行為に見えます。テイジンだけではなく、コアコンピタンスへのフォーカスを失いがちな企業は割と多いと思いますね。ソニーも、AVやエレクトロニクスへのフォーカスを失ったが故に、売上こそのびましたが本業でサムスンらの浸食を受ける結果となりました。
最近の日本企業で、こうしたフォーカスを明確に見せている企業はどこでしょうか。みなさんは、どこだと思いますか?

しばらく、定期的にこの話題を書いておこうと考えています。

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