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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

部活動を考える・・・2

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学校は夏休みに入った。部活動を担当する教員にとって夏休みは辛い時期だ。進学講習をやり、保護者との進路面談をやり、それが終わったら暑い中での部活動。学期間よりもハードな日が続く。夏休みはリーグ戦や練習試合が多くなる。雨が降っても中止にならないサッカーは大変だった。すぶ濡れになりながら審判もやった。お盆前後のわずかな休みが貴重だった。夏休みは日焼けで真っ黒になる。

夏休みが明けた。ある教員から旅行のお土産でチョコレートをもらった。「ちょっとドイツに行ってきたんで」と嬉しさを隠しきれない表情だった。そのチョコレートは、自分にとって悲しく辛く、不条理を感じさせるものだった。毎日のようにグランドで汗を流していた自分にとって、そのお土産は素直に喜べないものだった。その教員にも部活動はあったのだが、部活動を見ることもなく他の教員に任せていた。その教員が旅行に行ったことを非難しているのではない。同じように休みを取れるような体制になっていないことが問題なのだ。

部活動は正式には学校教育の範疇に入っていない。部活動に教育的な意義を感じ、そこで生徒を成長させたい、という教員の願いがボランティア的に部活動を支えているのだ。しかしながら、あまりにも負担が大きい。体力的にも精神的にも。本来、やらなくていい部活動でありながら、生徒が怪我をしたら監督責任を問われ、保護者から苦情を言われ、生徒から文句を言われる。こんな不条理があっていいのかと、常に思っていた。部活動が抱える問題はとても大きい。

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