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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

人材育成

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2か月ほど前の日経新聞のスポーツコラムに

「・・・サッカーのクラブチームの指導者は、高校の部活動の指導者に"人材育成"を学ばなければ・・・」という記事があった。

今、Jリーグで活躍し、何度か代表にも召集されたA選手の高校生活は、かなりいい加減だった。めったに怒ることがない温厚な教師を怒らせていた。彼がクラブで活躍しても、それを称える教師はいなかった。「サッカーが上手ければ、クラブはOKなんだ」と、冷めた目で見ていた。という。学校の部活動ならば、まず生活を整えてから・・・と指導している。

クラブチーム上がりの選手は、チームに何人もいる。そんな選手たちに、代々のキャプテンが言い続けていることがある。「クラブチームの指導者は、お前たちが野球をやっているとこしか見ていないけど、高校の先生は普段の生活を見ている。厳しさが違う。宿題やってなかったら部活も出れないのが高校野球だから・・・」と。

全てのクラブの指導者が、そうだとは限らない。素晴らしい指導者はクラブにもいるし、高校の指導者がすべて立派なわけではない。

ただ、これを言い始めたキャプテンはクラブチームにも、中学校の部活にも所属していた生徒だった。だから、その差を肌で感じたに違いない。 実際、クラブ上がりの選手の指導には時間がかかる。小学校時代、親に送り迎えしてもらい、グランド整備も親がやり、親がお茶当番をする。そんな「至れり尽くせり」の環境から、親の送り迎え禁止、自立自律の高校野球に来たら、不適応を起こすのも当然。 

卒業する時に、「高校野球は厳しかったです」と言っていく生徒たち。きっと、勉強と宿題と求められる日常が、厳しかったのだろう。

それは、いいことだ。                                                  

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