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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

部活動を考える・・・3

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部活動に対する教員の意識

10年ほど前、S市で部活動に対する中学校教員の意識調査があった。私が所属する大学の研究室にそのアンケートの集計依頼がきた。

アンケートの結果は、「教員にとって部活動は負担であり、できれば指導には関わりたくない」という回答が圧倒的だった。その理由は「日々の授業や生徒指導で時間が取られ、放課後や休日の指導は身体的・精神的に苦痛だ」「部活動の指導経験がない」「休日は家族の用事を優先させなければならない」「休日に家にいないのは、家族の理解が得られない」などであった。

このような回答の多さに、教育委員会はアンケート結果の公表を見送った。公表に耐えられないと判断したのだろう。

今、中学校では、顧問のなり手がいないために、部活動の縮小が続いているという。バレーをやりたい、バスケットをやりたい、という生徒がいても、顧問がいないために活動出来ない状況が増加している。

私たちは、生徒が好きで教員の道を選んだはずだ。生徒と一緒に過ごす時間にの中にこそ、教育の本質があると信じて教員になったはずだ。ただ、授業を教えるだけなら、他にも選択肢はある。予備校や塾の教師を職業をして選ばずに、教員を選択したのは何故だったのか。

部活動の指導は、確かに辛く大変で身体的にも精神的にも負担である。

釣りにも、ゴルフにもいけないかもしれない。

ほんの少しの時間でいいから、生徒と過ごして欲しい。それはそれは、尊いものである。他のことでは得られないものである。

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