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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

震災から3年

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3年前の3月11日は、忘れられない・忘れてはいけない日。当時は3年生の担任で、大学受験に向かう生徒たちと前日まで勉強していた。東北地方に向かった生徒たちの安否確認で、担任の先生たちは生徒の自宅を車で回った。電話がまるで通じない状況では、地図を頼りに車で動き回るしかなかった。12日の午前から夜までかかって一人一人の家を訪問した。連絡の取れない生徒も数名いた。後で聞いた話だが、泊まっていたホテルは停電で、懐中電灯の下で勉強していたそうだ。しかし、結局試験は行われず、ズタズタの交通網の中、ヒッチハイクなどしながら北海道にたどり着いた。東北の状況は悲惨だったらしい。何もたべる物がなく、土産店で売っていたお菓子を食べながら空腹をこらえていたという。生徒たちは、すぐに学校に来てくれた。「なんとか着きました」と。お土産までもって。受験出発の前夜、八時まで一緒におにぎりやサンドイッチを食べて勉強した生徒たちだった。受験もできず、無念な帰宅だったにちがいないが、無事に帰ってこれて本当によかった。受験に行って帰ってくることなんて、当たり前に思っていたが、当たり前がとても大事なことなのだと感じた。平和と安全があってこその当たり前。当たり前に感謝すること。

東北ではなかなか復興がすすんでいないようです。被災地、被災した人のために私たちができることは、「人を育てること」。3年前にも、野球部の関東での遠征合宿が予定されていました。「野球なんかやってる場合か」と周囲から言われました。でも、私たちがやっているのは「野球を通しての人づくり」。もし、あのような大災害があったなら、すぐにでも駆けつけるような人間を育てることが、自分たちの役目。それを忘れないで精進します。

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