「勲章」「文化勲章」「褒章」の違いについて調べてみました
★勲章(くんしょう)や褒章(ほうしょう)が話題になる季節になってきました。1年ほど前、調べてみたことがあります。「うんちく」にどうぞ!
【朝メール】20081106より__
==ほぼ毎朝エッセー===
□□瑞宝重光章
『瑞宝重光章』
これがすんなり読める人はよほどの勲章マニアか関係者でしょう。『ずいほうじゅうこうしょう』と読みます。
昨日11月5日午後、父が天皇陛下臨席の元、麻生首相から勲章を授与されました。新聞で知ったその名称が『瑞宝重光章』、読み方すら分かりませんでしたし、その位置づけもよく分かりません。文化の日を前後して勲章が出されるのは知っています。ただ、なんとなくそれを「文化勲章」だとか「文化功労者」だとか「秋の勲章」だとか、一緒くたにして曖昧に覚えていることが認識されます。
ニュースを見ていても、漫画家の藤子不二雄Aさんが受賞されたとか、トヨタの奥田碩さんが受賞されたとか、あるいは指揮者の小澤征爾さんが受賞されたとか、何がどのような話しなのか、どうにもよく分かりません。せっかくの機会なので、昨晩はお祝いをかねて父に取材に行き、今朝は調べ物をして、ようやく理解できた体系をまとめてみます。
http://www8.cao.go.jp/intro/kunsho/kun_gai.html
ここに整理されて記述されていました。
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まず、勲章・褒章(ほうしょう)制度には大きく次の3種類があります。「勲章」「文化勲章」「褒章」。勲章は英語でorder、褒章はmedalと訳されます。
「勲章」と「褒章」は「春秋叙勲」と「春秋褒章」がメインの授与機会です。春は4月29日、秋は11月3日です。そのほかにも随時叙勲の機会はあるようです。一方、「文化勲章」は文化の日、11月3日に授与されます。
では、「勲章」「文化勲章」「褒章」の主な違いは何なのでしょう。
いくつかのサイトから引用させてもらいます。(『』内)
「勲章」の『候補者は栄典に関する有識者の意見を聴取して内閣総理大臣が決定した「春秋叙勲候補者推薦要綱」に基づき,各省各庁の長から推薦されます。内閣府賞勲局は推薦された候補者について審査を行い,原案を取りまとめます。その後,内閣官房長官が主宰する叙勲等審査会議の議を経て,閣議に諮り,受章者が決定されます。』とのことです。
「文化勲章」は『文化勲章は,我が国の文化の発達に関して顕著な功績のあった者に対して授与される勲章です。受章者は,文化審議会に置かれる文化功労者選考分科会に属する委員全員の意見を聴いて文部科学大臣から推薦された者について内閣府賞勲局で審査を行い,閣議に諮り,決定されます。』
「褒章」は『自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した方を対象とする紅綬褒章,社会奉仕活動に従事し顕著な実績のある個人等を対象とする緑綬褒章,その道一筋に業務に精励し衆民の模範である方を対象とする黄綬褒章,学術,芸術,技術開発等の功労者を対象とする紫綬褒章,教育,医療,社会福祉,産業振興等の分野で公衆の利益を興した者又は保護司,民生・児童委員,調停委員等の事務に尽力した方を対象とする藍綬褒章があります。』
『勲章は、長年にわたる功績を対象とする側面が強く、人命救助のように一過性であっても功績顕著な行いは、叙勲の対象となりにくい。これに対して褒章は、勲章(叙勲)の対象とはなりにくいが、顕著な功績と認められるものに対して授与される。』
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選考のプロセスを見てみると、どうやら推薦者に違いがあります。
「勲章」は「各省各庁の長」の推薦で選ばれます。毎回4000名程度。 6ランクあり、旧来の呼び方では勲一等から勲六等。
「文化勲章」「文部科学大臣」の推薦で選ばれます。人数特定なし。文化功労者の中から選ばれて文化勲章を授与されます。位置づけは 天皇陛下が直接授与するので「勲章」の1番目、旧来の勲一等と勲二等の間に位置づけされるそうです。
「褒章」も「各省各庁の長」の推薦で選ばれます。毎回800名程度。こちらも6ランクあります。
なお、ここで言う「各省各庁の長」とは『衆議院議長、参議院議長、国立国会図書館長、最高裁判所長官、内閣総理大臣、各省大臣、会計検査院長、人事院総裁、宮内庁長官及び内閣府に置かれる外局の長』とのことです。(ちなみに国会図書館の館長って、面白い権限があるのですね!)
ややこしくなりましたが、どうやら父はこの中の「勲章」を「秋の叙勲」の機会でいただけたということです。4028名の中の一人のようです。勲章は体が悪いなどのことがない限り原則70歳以上の人に与えられるとのルールもあるようです。
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さて、タイトルの『瑞宝重光章(ずいほうじゅうこうしょう)』ですが、この位置づけについての資料が入手できました。勲章は大きく2系列あるとのことです。「旭日(ぎょくじつ)」と「瑞宝(ずいほう)」です。「新旧勲章のならびについて」という入手した資料で見てみます。
まず、『旧勲等の並び(勲一等から勲六等まで12段階)』とあります。古い方式では次のような序列になっていたとのことです。
『勲一等旭日大綬章
勲一等瑞宝章
勲二等旭日重光章
勲二等瑞宝章
以下勲三等~勲六等まで続く』とのことです。出てきましたね「瑞宝」。
勲何等と呼ぶのが良くないという配慮が働いたのでしょう。新制度になってからは勲等の並びが次のようになったとのことです。
『大綬章から単光章まで6段階2種類
旭日大綬章 瑞宝大綬章 (旧勲一等)
旭日重光章 瑞宝重光章 (旧勲二等)
旭日中綬章 瑞宝中綬章 (旧勲三等)
旭日小綬章 瑞宝小綬章 (旧勲四等)
旭日双光章 瑞宝双光章 (旧勲五等)
旭日単光章 瑞宝単光章 (旧勲六等)
『新制度においては旭日章と瑞宝章は、功績の質的な違いによる勲章と位置づけられ、上下関係はないとされる。なお、従来同様、大綬章より上位の勲等として桐花大綬章、菊花大綬章がある。』とあります。
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「旭日」と「瑞宝」の違いはWikipediaで調べると次のようです。
『旭日章(きょくじつしょう、Orders of the Rising Sun)は日本の勲章の一つ。1875年(明治8年)4月10日に制定され、2003年(平成15年)11月3日に改正された。“国家または公共に対し功労がある者の内、功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた者”に対して授与される。』
『瑞宝章(ずいほうしょう、Orders of the Sacred Treasure)は、1888年(明治21年)に制定された日本の勲章。国家または公共に対し功労があり、公務等に長年従事し、成績を挙げた者を授与対象とする。』
簡単に言えば「旭日」が民間人、「瑞宝」が政府関係者でしょうか。
ふう、ややこしかったですが、父がいただけたのは『瑞宝重光章』つまり、政府関係者の旧勲二等、ということになるのです。昨日は午前中に7名に大綬章(旧勲一等)の授与は天皇陛下から、午後一に43名に重光章(旧勲二等)の授与が天皇陛下臨席の上で内閣総理大臣からされたとのことです。
以上、調査報告終わり!
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叙勲に行った両親に聞いてみます。「麻生首相どんな感じだった?」
「『さまに』なっていたよ。すらっとしていて顔も曲がっているのが気にならなかったし、お坊ちゃんって感じかな。マスコミ経由で伝わる印象とは随分違っていたなぁ。」
いつの間にか、テレビを通して見ている姿はマスメディアが見せたい形に歪曲されているのかも知れません。