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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

インド道中 (その2) ムズラムの男性との会話

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★【朝メール】20050802より
 インドのティルパティからの2日目報告です。
 当時はdocomoのM1000というWindowsMobile機種をグローバル
 ローミングで何とかつなごうとトライしていました。

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おはようございます。

ティルパティでの2日目の朝です。
こちらは薄日の差すような天気、気温としては30℃を
少し超えるような状態ですが、湿度は以外にも東京より低く、
エアコンなしでぐっすりと眠れます。

===ほぼ毎朝エッセー===

□□ティルパティへの道中(その2)

無事にクアラルンプールに到着します。
クアラルンプール空港はとてもきれいな飛行場です。

早速、待ちに待った海外データローミングができる携帯、
M1000の接続トライをしてみます。ターミナルに出ると
すぐに携帯を手に取ります。電源を入れると派手な音で
端末が立ち上がります。アンテナの状態を見るとばっちりです、

画面をペンでタッチしながらブラウザを立ち上げます。
ブックマークを選び、カチャットのトップページを選びます。
(これって、携帯電話の操作とは思えませんよね…)
『ネットワークサービスに接続』画面でmoperaUを選びます。

いざ接続!接続ボタンを押します。

緊張の一瞬です。

・・・・

『お知らせ
  ネットワークに接続できません
  FOMAカードが入っていないか
  圏外またはセルフモードの可能性があります』

「はぁ?アンテナ立っているのに?
  セルフモード?いったい何…。」

とりあえずのテストは失敗でした。
気を取り直してチェンナイへの搭乗口を確認します。
メインターミナルからの出発と表示されています。
シャトルに乗ってメインターミナルに移動する必要があります。

シャトルは3列つながりの電気で走るタイヤの列車です。
きゅい~んとジェットコースターのような加速をして
飛行機の滑走路の下をくぐっていきます。
あっという間にメインターミナルに到着します。

メインターミナルではなんだか人が少ないです。
前回着たときにはクアラルンプールの飛行場は整備されていて
きれいな印象があったのですが、今回はどこかしら寂れたような、
人の少ないような雰囲気がします。

とりあえず、ノートPCも持ってきたし、M1000の実験もあるし、
落ち着いて座れる場所を探します。席はあちらこちらにある
のですが、あちらこちらにインド人と思われる人々が
転がっています。

「そうだ。前、インターネット接続のできるラウンジが
  あったよな。そこに行こう。」

荷物を引きずりながら探してうろうろと歩きます。
各航空会社のビジネスラウンジは閉鎖されています。
ビジネスクラスが流行らなくなったのでしょうか。
クアラルンプールが予想を下回る利用なのでしょうか。
20分くらい歩いてようやく目的のラウンジが見つかりました。

ラウンジに入り込んで早速、ネット接続を試みます。
公共のPCなので、ブラウザにキャッシュは残したくありません。
IPPSASのページに行き、RSAのトークンを見てパスワードを
入れます。カシオさんの意味するところが実感できました。
(かなり安心感ありますよ)
英語ブラウザで日本語を表示させているだけなので
入力はアルファベットになってしまいます。

さて、しばらくラウンジでゆっくりしながら様子を見ていると、
自分のPCにつなぐことのできるLANケーブル、
それが無料で使えることがわかりました。早速試してみます。
つながりました!

やはり日本語でメールが送れるのはいいです。
M1000の接続も試みますがどうもうまく行きません。
そんなこんなで作業を続けているとそろそろ搭乗口
集合時間になってきました。お世話になるKumar家への
手土産としてチョコレートを買い、搭乗口へと向かいます。

搭乗口はさすがにチェンナイ行きのMH180待ちで、
インド人が沢山います。IT関連とわかる若手、家族連れ、
そして派手なオレンジ色の布をまとった僧侶の集団と取り巻き、
だんだんと異国へと行く感じがしてきます。

それにしても、あちらこちらで携帯電話の着メロがなります。
マナーモードとか、周りを気にしながら話すとか、そんなことは
一切ありません。堂々とでかい音を鳴らして、堂々と話しています。
マナーモードってかなり日本的な作法なのでしょうか。

さて、飛行機に乗り込み、時計の時間をずらします。
日本にいるときには周りを見回せば必ずどこかに時計が
見えるので腕時計はしない主義なのですが、海外に出ると
意外にも時計はありません。それなので、海外専用の
防水1000円腕時計をその昔ビックカメラで購入して、
外国に行くときには持っていくようにしています。

飛行機の中でうたた寝をしていると、夕食の時間です。
チキンか魚かベジかと聞かれるのでチキンと答えます。
お盆の中のプレイとを開けるとライスとスパイシーそうな
チキンが出てきました。早速食らいつきます。

「ん?なんだか味が少ないな…。」

隣のインド人男性もそう思ったのでしょうか、ペッパーを
かけています。しばらく食べていると隣の人が話しかけてきます。

「なんでも食べるんだね。」

インド訛りが少ないアクセントです。
年は30代前半といったところでしょうか。
如何にもIT系です。
答えます。

「せっかく出てきたものだからねぇ。」

そこから会話が始まります。

「どこから来てどこに向かっているの?」

「カリフォルニアからきてマドラスに向かっている。」

「え、カリフォルニアから!?それはずいぶん遠い。
  東京経由?」

「いや、バンコック経由。」

「で行き先はマドラスね。チェンナイ。」
インドではボンベイがムンバイ、マドラスがチェンナイと
従来の呼び方に変えようとしています。

「そう。名前変えすぎだよね。町の。そちらは?」

「東京から来てティルパティに向かっている。」

「ティルパティか。そこはヒンズーの由緒あるお寺で
  有名なところだね。」

「で、アメリカでは何関係の仕事しているの?IT?」

「そう。CRMの会社。もう5年勤めている。
  今回は初めて4週間の休みを取って帰省するところ。
  そちらは?」

「あ、携帯関係のASP。会社の情報を安全に携帯から
  アクセスできるセキュリティ商品。それを開発して売っている。」

「インドには何で行くの?」

「開発をインドでやっているんで、たまに行くのと、
  今回はその中で中核の技術者との打ち合わせで行くことになった。」

「セキュリティソフトを販売していてそれをインドに外注
  することに不安はないの?」

「確かにあるよね。でもソフトっていろいろな統合品だから
  それぞれの部品を持っていてもしょうがないところはあるよね。」

「たしかに。」

「それと、その中核技術者を今度はうちの会社で働いて
  もらうことにしたから、これでだいぶよくなる。ほら、
  ソフトってリサーチが上手で設計ができて開発ができる
  中核技術者一人がいるとどんどん周りが育つじゃない?
  それができるようになる。」

その人はもっともだとうなずいています。

「で、そちらは5年ぶりの帰省?何かあるの?」

「うん。3人兄弟の末の弟が結婚するんで、家族中が
  集まっているんだ。上の兄もドバイから先週帰ってきたところ。
  ムズラム(イスラム教)だからね。こういうイベントは重要さ。」

「インドって結婚式に1000人以上集まるんだって?」

「そうそう。」

「そうか。ムズラムだったら911では大変だったろうね。
  アメリカで、ほとんど差別受けたんじゃない?」

「ひどかったよ、911はムズラムのLunatic(キチガイ) な
  過激派がやっていることだよ。」

「確かに。別にムズラムの大多数はおとなしい人たちだもんね。」

「アメリカでは宗教自体の非難になっているからね。
  ほら、オクラハマの連邦ビル破壊はLunaticがやったことで、
  アメリカでは誰も『キリスト教信者のLunaticがやった』
  とは表現していないよね。」

「宗教というくくりで見てしまうとミスリードするよね。」

「日本では宗教ってどう?トランジットで通ったことは
  あるけど日本には行ったことがないんだ。」

「日本?基本的には仏教で、そこに神道の混じった形の
  宗教が主流だね。でも、あまり厳密に分けていないかな。」

「インドではかなり厳格なんだよね。特に宗教で政治思想までを
  コントロールしようとしている。それはいやだね。」

「そうだね。宗教自体はいいのだろうけど、必ず宗教で
  人々をコントロールしようとする人が現われるから困る。」

「でもさ、日本では宗教が厳格じゃなかったら、
  たとえば、6歳の子供がアルコールを飲んではいけないって、
  どうやってコントロールするの?」

「ん?だって、法律があるじゃない。20歳までは飲んでは
  いけないって。宗教は法律をカバーするモラルや倫理を
  提供する位置づけだね。あとは儀式かな。」

「そっか…。言われてみたらそうだね。」

「ところで、家族はいるの?」

「夏休みに入ってすぐに先に帰国した。
  子供たちにとってよくしてくれるおじいちゃんおばあちゃんは
  楽しいからね。」

こんな会話で盛り上がりながらメールアドレスの交換を
した機中でした。

==

4時間程度の飛行は終わりいよいよチェンナイです。

チェンナイの飛行場が見えます。空港なのにボロボロの
建物であるところがインドです。

飛行機が到着すると人々はいっせいに争うように荷物を
もって廊下に殺到します。

自分の荷物を降ろそうとしてもまったく手が出ません。
そこはアメリカナイズされた隣のインド人が親切に
荷物を降ろしてくれます。

他人の気持ちまで配慮できる文化はやはり心地いいものです。
一方、『自分が!自分が!』と自己主張する文化はどこかしら
ぎすぎすしたものを感じます。

(以下次号・・・)

===post script===

ホテルの部屋で缶詰になりながらVer3打ち合わせをしています。
ネット接続があり、重かったけどDELLのノートPCが大活躍です。
横浜から遠路23時間離れたところでも、ストレスなく打ち合わせと
コンピュータでの仕事ができるような環境というのはすごいです。
さて、これからKumarがやってきて打ち合わせです!

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