日本最速(だと思われた)OpenAIのDeep Researchの内容とこれに実需はあるか?について
»
こんにちは。ご無沙汰致しております。DeepSeekの前後から、ChatGPTとMidjourneyのビジネス活用を探っていく勉強会 の活動を再開しております。
DeepSeekがなぜ NVIDIAの時価総額にとって脅威なのかを解説した Xで高評価を受けている投稿
が軽くバズりまして、新規にやってこられた方が数十名に上りました。賑やかになっています。
○
昨日発表されたOpenAIのDeep Researchの発表動画を昨日の早い段階で YouTubeで見ました。その後すぐにまとめたクルマ雑誌で言う"インプレッション"みたいな記事が以下です。おそらく日本最速の記事だと思います。上の勉強会とXの自分アカウントに投稿しました。そこそこ反響があったため、こちらにも転載します。
○
今日発表されたOpenAIの新サービスDeep Research のお披露目プレゼンテーション動画を見ました。
一言で言うと、大企業の中の調査部門(米系外資で言うとMarket Intelligence を行っている部門)や日本の専業の調査会社でいわゆるデスクトップリサーチを行っているチームが日常的に業務として行っている
・調査対象ウェブサイトを絞り込む
・ウェブサイトの中に入って、テーマに合致する資料を見つけ出す
・1つのサイトでは足らないので、同じことを10から20のサイトについて行う
・得られた結果を全て統合して、1つのレポートにまとめる
以上の作業を自動化するものです。今で言うAIエージェントの具現化の一つの形。
人がやっている検索&サイトへのアクセス&深掘り検索を何度も繰り返してレポートにまとめるため、5分から30分の時間がかかるそうです。
reasoning にはo3が使われているとハッキリ言っていたので、o3をベースにしたMarket Intelligence 系のレポートをまとめるAIエージェントだと思えば良いでしょう。
どれだけの実需があるのか?ある企業にはある、ない企業には無いでしょう。
米国のプロダクトなので、米国に拠点があって、世界市場を分析する最初の一本のレポートが欲しいという場合には、ほぼ無料でそれが得られるので便利。日本企業が要求する、高度な、微に入り細に渡ったレポートを納品しなければ...というニーズには、おそらく応えられないでしょう。米系企業の日本の拠点で同じ仕事をしていたことがあるので、ほぼ断言できます。
○
補足
補足すると、インターネットで拾うことのできるPDFの業界レポート類は、2,000ドル〜5,000ドルを支払わないと中身が読めないです。無料でアクセスできるものは表層的だったり、有料レポートの一部をサンプルとして公開しているものだったりするので、どれだけ検索を繰り返しても、表層的なレポートの記述が集積されるだけで、大した知的成果物にならないのではないかと推察します。
数千ドル払って買ったレポートでも、開けてみたら中身はクズだった(某アジアの英語国で生産されたレポートに多い)ということが間々あります。日本のクライアントは要求度が高いので、OpenAIの今回のDeep Researchで作成したレポートを納品しようものなら、次回から出禁です。米国に本社がある米国流のイージーなモノの考え方をする、世界市場で展開する企業なら、この種のAIサービスを喜んで使うんだと思います。日本市場に関する報告をDeep Researchに作らせて、役職がそれを読んでわかったような気になる...というような。
SpecialPR