動画版AdSenseが開く「何か」
Googleが、2月22日、動画コンテンツ用広告「AdSense for Video」の一般利用を開始したことは承知だろう。「AdSense for Video」はリスティング広告に新たな魅力や用途を与え、新たなる広告市場を作るのだろうか。
月間100万回以上
Googleは2007年5月、ビデオ版のAdSenseの非公開ベータテストを開始したことを発表し、ヶ月に渡る利用者限定のテストを終え、2月に一般利用を開始した。対象としては動画ストリーム配信月間100万回以上の米国内パブリッシャーとなっている。配信数を100万回以上としたのは、メインストリームのサイトにだけ出稿したいという広告主への対応と言われている。
広告のフォーマットは、動画とテキストの2通りで、どちらも再生動画の下に、オーバレイ広告的にバナーで表示する。そのうち、動画広告は、動画内の広告をクリックすると、再生中の動画が一時停止し、新規の小ウィンドウに動画CMが流れる仕組み、テキスト広告は、コンテキスト連動型AdSenseと同じバナー広告で、動画のタグや動画周辺ページの単語に連動。表示されたURLをクリックすると広告主のサイトにジャンプする仕組みのようだ。
今回Googleが採用したフォーマットは、動画・テキストの双方について、再生動画のコンテキストに関連性の高いものとなっており、それほど視聴者の邪魔になることもない。オンライン広告業界におけるGoogleの影響度を鑑みると、プレロール/ポストロールの動画広告は終焉に向かい、これが業界の新しいスタンダードになる可能性もあるかと期待する。
重たい広告は許されるか
動画マッチングにはこれも2つの方法に大別できる。動画に対する入力されたメタデータの意味と画像特徴量を分析しメタデータを生成する方法である。どちらにも一長一短があるが主流はテキスト入力である。
動画の広告というとTVのCMを連想するが、あれらはサブリミナルな効果もあるので動画連動の機能とは違う。ユーザーが喜ぶユースケースが持てるのだろうか。
問題は動画のように重い情報がブラウザのどこかでうごめくのをユーザーが好むかという点に加え、特にナローユーザーが未だ多い米国で回線にストレスを与えることが許容されるかというプリミティブな問題が残っている思う。
携帯電話電波帯の入札で一敗しているところなので、更なる切り札をグーグルラボから見せて欲しいところである