試さなくなったNHK ガッテン!に要注意。エコーですい臓がん超早期発見というけど専門家は有害と指摘
がんの早期発見はいいものだ、というのが世間の常識でしょうが、福島の甲状腺がんの検診ではかえって有害だという指摘がなされています。早く見つけても生活の質の向上につながるとは限らず、かえって有害ということもあるからです。そういう、危惧のなか問題番組だろうと医療に詳しいTwitter界隈でマークされていたNHKの番組 ガッテン!が予想通り、街の病院でエコー検査ですい臓を観てほしいと訴えようという呼びかけるような番組を放送して医療の専門家たちから多数の批判を受けています。
これ高率でマズいやつなんで、医師はNHKにカチコミかけた方がいいです。「町の開業医がある検査で膵癌(本当に?)を次々に発見」って、保険診療で検診してる可能性が相当あるし、内科医に呼びかけてる時点で「自費で検診受けろ」って話じゃない。 https://t.co/lVIqAZWJ8r
-- PKA (@PKAnzug) 2018年10月11日
なるべく早く、今夜のガッテンに間に合うように解説記事を書くつもりです。私のことを「トンデモ」と呼ぶsivadさんを初めとして、がん検診の疫学について理解していない人はたくさんいます。わからない場合は教科書を読みましょう。
-- なとろむ (@NATROM) 2018年10月16日
実績をあげた尾道方式の紹介の仕方に問題があり、リスク関係なしに、またノウハウがない一般病院で、エコーをつかったすい臓がん検査を希望しても、それは無用な混乱を生むだけで、メリットよりもデメリットが大きい、そういう意見が多く出ています。
#ガッテン でエコーで早期の膵臓癌を発見とかやってますが
-- EARLの医学ツイート (@EARL_Med_Tw) 2018年10月17日
・開業医にエコーがあるからと言ってその医師が腹部エコーができるわけではない
・医師や検査技師によってかなりスキルに差がある
・膵臓は描出不良となりやすい
・検診での早期発見をもって「5年生存率が◯倍」と言うのは典型的間違い
尾道方式は膵臓癌リスクがある患者を対象にしています。リスクも関係なしに検査した場合の膵臓癌発見率は0.009%と極めて低いです(日がん検診断会誌 2011;18:201-9)。1万人に1人程度です。#ガッテン
-- EARLの医学ツイート (@EARL_Med_Tw) 2018年10月17日
「医者が早期発見を逃すことを恐れて検査を躊躇しがち」だからエコーをやらないんじゃないんです。そもそも膵臓癌へのスクリーニング検査は世界的に推奨されてないからやらないんですよ普通は#ガッテン
-- EARLの医学ツイート (@EARL_Med_Tw) 2018年10月17日
いい仕事をしていた「ためしてガッテン」と今の「ガッテン!」は、別番組
山瀬まみさんが生き字引として知識を20年以上ためてきた「ためしてガッテン」と今の「ガッテン!」は似て非なる番組となっています。かつては、東大医学部卒の市川衛氏をはじめ知識と志をもたれていた制作関係者が多く去られており、特に医学関係では「最新情報をお知らせする」という今流行りのトレンドにのり、異論反論が多く出る放送回も、糖尿病治療に睡眠薬を推奨の回のように増えています。
料理のコツとか、運動による健康法とかで新しい受ける情報を探すのりで、目新しい医療方法を情報番組的な軽いのりで紹介することはもう限界であり控えるべきことではないでしょうか?NHKでもEテレでは 「きょうの健康」や「チョイス@病気になったとき」など、医療を正面から扱ういい番組を作っていると思います。医療の情報をバラエティで軽く伝えるという構図に無理がある。そういう反省と取扱範囲の変更をNHKは行うときに来ている、そう確信します。