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神宮外苑再開発の是非に必要な木を見て都市も見る視点

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神宮外苑の再開発がなぜ必要なのかはこの現在と再開発後の俯瞰図でよく分かる。木を見て都市も見ると、東京という都市のレガシーを残すのに都心の杜の価値を高めることの重要性が一目瞭然だからだ。

FireShot Capture 050 - Google Earth - earth.google.jpg

俯瞰的に見ると、神宮外苑は赤坂御所、新宿御苑、明治神宮内苑に囲まれた、東京でも樹木が多い地域に立地していることが分かる。東京の都市域は当初計画されたときよりも遥かに大きく広がった。東京は、第二次大戦で空襲を受けて表参道や新宿の西側などでも大きく焼けて多くの死傷者を出した。そういう繊細を経て、神宮外苑の中心施設であった、聖徳記念絵画館の前の広場はGHQの政策で転用された結果、軟式野球場などになった。

そういった、現状をもとに戻すという意図が再開発に込められていると筆者は考える。

FireShot Capture 048 - 神宮外苑地区まちづくり - www.jingugaienmachidukuri.jp.jpg

現状のイチョウ並木の先に広場と歩道が一直線に続くことで、当初の構想の意図がやっと明らかになるのではなかろうか?そして、ラグビー場と野球場は移転して建て替えられて、現代のスポーツ観戦のニーズに沿った施設に生まれ変わる。古き良き伝統の施設もいいのだが、スタジアムには寿命があり適切なタイミングで作り直して、高齢者や車椅子利用者も使いやすくて天候の影響も少ない施設に変えることが東京という都市の価値を高めることにつながるだろう。

IT業界で、「レガシー」といえば、伝統的なシステムという意味の他に古くて陳腐化したシステムという意味を伴う。ミッションクリティカルで巨大な、メガバンクなどのシステムのリニューアルは大変でレガシーをどうモダナイズし、現代のニーズに合いメンテナンスしやすくしていくことは大きな課題だ。神宮外苑のレガシーを残すためにもレガシーのモダナイズが必要である。

まだまだ使えるとかいう声がレガシーシステムにもあるが老朽化した設備は、ニーズに合わないとか維持費が増えるとかいう問題がある。COBOLならまだしも、より古い日本語CASEツールとかのコードを残す日本のレガシーシステムは富士通製メインフレームが使えるうちに移行しないと、もう再構築は不可能という土壇場にまで来ている。神宮外苑のスポーツ設備の建て替えはそういった日本のレガシーITほどの切実さは感じられないかもしれない。しかし、スポーツの国際的な開催基準を満たさないがゆえに、国際試合とか大きな大会を開催できないという状態は東京にとってももう、大きな負の遺産という状態になっている。

街路樹を見るだけでなく、広域東京圏という大きな視点で見ると神宮外苑再開発の意図と切迫度が分かることだろう。

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