BtoB 01:マーケティングと営業と間に「関所」が必要な理由
私の社会人生活は、営業からシステム開発へと経た後に、マーケティングの仕事へと変わりました。しばらくひと系情報サイトのAll About Japan立ち上げでコンシューマー寄りに移ったこともありますが、基本的には、企業向け基盤ソフトウェアという購買プロセスが複雑なBtoB商材に関する、ことでのマーケティングを以下の4ジャンルで行ってきました。
1) データベースマーケティング
2) 基盤ソフトやデータベースのマーケティング
3) ネットコミュニティ・ソーシャルメディア
4) Web、Eメールマーケティング
営業 → 開発 → データベースマーケティング → 基盤ソフトやDBのマーケティング
↑ 企業向け基盤ソフトウェア( =BtoB) ↓
Web・Eメール マーケティング ← ネットビジネス・コミュニティ
データベースマーケティングとは、1990年代によく語られていた言葉で、データベース(DB)を上手く活用して、郵送とかをうまく使っていこうという概念です。1993年ごろに、当時NIFTY-Serveのマーケティングフォーラムに入って、現シンフォニーマーケティングの庭山さんやToshi/高橋俊之さん 阪本啓一(Surfrider)さんといった方々からいろいろ教えていただきました。「マックによるデータベース・マーケティング 4thDimension編」著者、菅野さんの三鷹でのオフ会、赤坂で当時ダイレクトマーケティングコンサルタント会社経営の庭山さんに好き放題言った97,8年ごろの赤坂でのオフ会とかいろいろ懐かしく思い出されます。
阪本啓一さんがセス・ゴーディンの翻訳本を出されてブームになったパーミッションマーケティングやバイラルマーケティング、はたまた、One to Oneマーケティングとかいろいろ言葉は変わっていますが、データを基本としたマーケティングが重要で、今のネットマーケティングもこの流れにあることに変わりはありません。
コンシューマー系のAll Aboutは寄り道だったようで、リクルートでFAXマーケティングやキーマンズネットなど数々の新規事業立ち上げを経験された 江幡さんの元で働けたということは非常に貴重な経験となりました。
■ 最近やっと分かってきたBtoBでのデータ管理の勘所:
さて、そんな長いBtoBのデータベースマーケティング生活なのですが、最近やっと分かってきたことがあります。
マーケティングが管理するリストと営業が管理するリストは分けた方がいい
ということです。
もちろんスムーズに繋がっていることが必要で、両方のリストを閲覧でき管理する人が欲しいとか、営業がマーケティングリストを見て、リード(糸グチ)を引っ張り出す手もあるとか、営業とマーケティングの橋渡しをする仲人というか、リエゾンを立てるとか、いろいろなやり方はあるでしょう。
それでもなお、マーケティングが扱う領域と営業が扱う領域にはしっかりと線を引いて、そこを越えた数が何件で、質がどうだったのか?とかマーケティングから営業にデータを渡す箇所は大きなチェックポイントとして管理し、適切に成果が出ているのかそうでないのかチェック、プラン、実行のサイクルを回すことがマーケティングの最重要事項だと思います。
■ BtoB で営業には、リード(糸グチ)だけを流すのが理想:
では、なぜリストの線引きが重要と確信したのか? それは、売り上げを上げる人たる営業には、将来案件獲得のために糸グチとなるような方、つまりリードだけを渡すのが理想と考えたからです。
<マーケティングは厳選したリード(糸グチ)だけを渡すべきという模式図>
マーケティング側| 営業側
コンタクト |
コンタクト |
コンタクト → 関所 → リード(糸グチ)
コンタクト |
コンタクト |
マーケティングはとりあえず連絡がつく方のリスト集めが重要です。自社のリスト(ハウスリスト)はEメールという廉価なコンタクト手段が主流な今、より多くのコンタクト(連絡先)を持つことが重要となっています。また、よりターゲットに合う情報を案内するためにも、母数は多く持つことが前提となります。
一方、営業は毎月とか四半期ごととか限られた期間に売り上げという成果を挙げることが多くの場合求められています。
「興味を持ってくれた人ではあっても、買うのは早くても数年後」とかいう方の情報は、営業にとっては案件の糸グチ(リード)でない余計な情報となりえます。
ましてや、間接販売のパートナー候補の方とか転職先として検討して資料請求した方とかが含まれる、コンタクト情報全部が流れたとするともう、データの管理は「営業の仕事」の範疇を越えたものになってしまうでしょう。
マーケティングの側は、リードの数だけを自分のゴールとして追い、営業はその渡されたデータが手に負えないからと放置するとかいうことになれば、もう本末転倒もいいところです。
従来のOne to One マーケティングとかでは外部に適切な情報を提供することが注目されましたが、むしろ内部で、適切なデータを渡せているのかが、BtoBマーケティングの重要な仕事であり評価基準となります。
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